研究課題
現在,地球上では,自然の自浄能力を上回る汚濁物質(重金属や栄養塩等)による水質悪化が懸念されている。汚染物質を効率よく迅速に処理し,可能な限り元の安全な状態に戻す技術が重要で不可欠と考えられる。また一方で,有用資源の枯渇の問題も数多く報告されている。このため,環境保全および資源の安定供給の問題は重要な環境課題となっている。本研究では,環境に低負荷で低コストであるバイオマスをベースにした吸着剤を用いて,重金属や放射性核種などの汚染物質を除去・回収する手法を確立して環境浄化に役立てることを目的とした。最終年度は,重金属のさらなる選択性と効率の良い除去・回収法の構築することを目指した。新潟県阿賀町特有の雪椿炭においても,活性炭などと同様に,クロム(Cr)の吸着・除去実験を行ったところ,良好な結果が得られ,有用な吸着剤となりうる可能性が示唆された。特にCr(Ⅲ)の吸着の場合,共存する陽イオンの阻害を受けにくく,さらに有用であると推定される。また,吸着等温線はLangmuir吸着等温線に最も適応するし,吸着速度は擬二次反応に良く適応する,などがわかった。キトサンに加え,ゾル・ゲル法により創製したキトサンとゼオライトとのハイブリッド材料もまたクロム(Cr)の有用な吸着剤となりうることがわかった。また,バイオ界面活性剤としてサポニンとタンニン酸を用いて土壌や汚泥(スラッジ)中の重金属を除去することを検討した。その結果タンニン酸も,サポニンと同様に土壌中の重金属除去に有用な試薬であることが示された。
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