ジフェニルアルシン酸(DPAA)のチオ化に関与する嫌気微生物としてDesulfotomaculum acetoxidans DEA14株を単離した。既知の酸還元菌であるDesulfovibrio aerotolerans JCM 12613TもDPAAをチオ化したことから、フェニルヒ素化合物のチオ化は硫酸還元菌によるH2S生成に伴う反応と推定された。DPAA以外の様々なフェニルヒ素化合物もH2Sと反応し、チオ化物が生成することを明らかにした。イネをDPAA模擬汚染土壌で栽培した結果、ジフェニルチオアルシン酸は土壌や根でのみ認められ、イネ地上部では部位毎に異なるフェニルヒ素化合物が検出された。
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