余剰汚泥を未利用リン資源として活用するための,微量金属を含む水酸アパタイトのプロパン酸化脱水素触媒としての性能に及ぼす触媒合成時の熱処理操作の影響を調査した。炭化汚泥からの酸抽出を想定した微量の鉄分を含む模擬酸抽出液から水酸アパタイトを合成した場合,鉄分は全量水酸アパタイトに移り,塩基側で合成した類似の成分組成の水酸アパタイトとほぼ同じ触媒活性を示した。 触媒活性は触媒の合成スキームや鉄含有量,熱処理操作や熱処理温度に影響した。550℃におけるプロピレン収率の比較では鉄含有量0.5~1.5%が好ましく,余剰汚泥のリンを活用する際の鉄分混入量に相当した。プロピレンの最大収率は4.7%であった。
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