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2014 年度 実施状況報告書

高齢者の介護予防に向けた生活空間評価方法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25340101
研究機関放送大学

研究代表者

川原 靖弘  放送大学, 教養学部, 准教授 (10422403)

研究分担者 片桐 祥雅  独立行政法人情報通信研究機構, その他部局等, その他 (60462876)
戸ヶ里 泰典  放送大学, 教養学部, 准教授 (20509525)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード高齢者 / 行動認識 / 移動体センシング / 日常生活者 / 測位
研究実績の概要

前年度構築した、モバイルセンシングシステムと測位システムを用いて、複数人の日常行動時のデータを取得した。これにより、腕に装着したセンサ(3軸加速度計、体表温度計、温湿度計、気圧計、マイクなど)を用いて、行動パターン(歩行、走行、乗車、食事、睡眠、会話)区別のためのアルゴリズムを作成した。測位システムにおいては、モバイルセンシングで得られる気圧データも使用し、より精度の高い屋内測位を実現した。また、脳活性を促す環境情報として、環境音に注目し、後頭部から取得した脳波α2帯域のパワーの振幅に変化を与える環境音に、定周波の有無が関連していることを示すデータを得た。低周波が比較的大きく存在する場所として、室内などの静かな場所において機械音が存在する環境が想定される。低周波が聞こえにくい場所としては、屋外における徒歩での移動や会話をする環境が想定される。
一方、加速度及び日誌による1週間以上のモニタリングにより、活動量が多くなる時間帯に高齢者が行っている特徴的な行動は、生きがいとして定期的に行っている行動が大半であることが分かった。さらに、その行動及び行動を行う動機に関するアンケート調査により、行動を定期的に続ける同期として「交流」因子が関連することが示された。また、行動を行う動機とSOCスコアに相関があることも示された。したがって交流の機会を増やす行動導線のある環境創成が重要であると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・日常環境下でモバイル計測が可能な生理/環境計測システムを構築し、環境情報と生理情報の同時計測を行った。
・日常生活環境音聴取時の、環境音音響特性の差異による脳波特徴の変化を示した。
・高齢者が好む行動及びその実践の動機の調査により、「交流」因子の関わりが大きくSOCスコアとも相関があることを示した。
以上により、該当年度の計画はほぼ遂行できていると考える。

今後の研究の推進方策

脳活性を促す環境要素のより細かな特性分析(環境音や会話のどの音響因子が脳活性に寄与しているかなど)を行う。脳活性を促す環境要素と、それに対応する行動パターン及び日常の特定環境との関連性を、行動実験により見出す。また、被験者のSOC(Sense of Coherence)をアンケートで取得し、SOCの値の差により脳活性に寄与する行動パターンに差異があるか分析を行い、個別適合が可能な脳活性に寄与する行動パターンの抽出を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成27年1月における行動実験において、腕に装着することのできる複数の生体/環境センサの準備が必要であったが、一部のセンサにおいて、必要機器の選定及び納品に要する期問が足りず、次年度に使用せざるを得なかった。

次年度使用額の使用計画

腕に装着し、平均体表温及び環境音特性の指標を得るために十分な出力を行うセンサを購入する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2015 2014

すべて 学会発表 (7件) 図書 (1件)

  • [学会発表] SNSと位置情報を用いた知人間親密度の推定に関する考察2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木 淳一・川原 靖弘・吉田 寛・矢追 龍之介・坂東 洋介・渡邊 幸之介・Daniel J. Dubois・渡邊 信彦
    • 学会等名
      電子情報通信学会HCGシンポジウム2014論文集
    • 発表場所
      山口
    • 年月日
      2014-12-18
  • [学会発表] 歩行障害を伴う疾患の加速度計を用いた歩行安定性解析について2014

    • 著者名/発表者名
      川原 靖弘、片桐 祥雅、田中 和哉
    • 学会等名
      電子情報通信学会HCGシンポジウム2014論文集
    • 発表場所
      山口
    • 年月日
      2014-12-17
  • [学会発表] 快・不快音聴取による生理情報の変化に関する研究2014

    • 著者名/発表者名
      石井十三、川原靖弘
    • 学会等名
      第 1 9 回人間情報学会 発表集
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-12-02
  • [学会発表] 母性と首尾一貫感覚との相関に関する一考察2014

    • 著者名/発表者名
      矢野美紀 、 片桐祥雅、 川原靖弘
    • 学会等名
      第 1 8 回人間情報学会 ポスター発表集
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-09-09
  • [学会発表] 加速度計による歩行安定性評価法2014

    • 著者名/発表者名
      川原靖弘 、 片桐祥雅、 田中和哉
    • 学会等名
      第 1 8 回人間情報学会 ポスター発表集
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-09-09
  • [学会発表] Automatic Estimation of Influence of Acquaintances in a Social Group and its Key Influencers from their Communication and Location History2014

    • 著者名/発表者名
      Junichi Suzuki, Yasuhiro Kawahara, Hiroshi Yoshida, Yosuke Bando, Konosuke Watanabe, Daniel J. Dubois,Nobuhiko Watanabe
    • 学会等名
      HCI International 2014
    • 発表場所
      Greece
    • 年月日
      2014-06-25 – 2014-06-27
  • [学会発表] 田中和哉 、 跡見友章 、 廣瀬昇 、 清水美穂 、 跡見順子 、川原靖弘2014

    • 著者名/発表者名
      上半身重心・下半身重心の動揺計測による姿勢制御パターンに関する研究
    • 学会等名
      第 1 7 回人間情報学会 ポスター発表集
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-04-25
  • [図書] 生活環境と情報認知2015

    • 著者名/発表者名
      川原靖弘、片桐祥雅
    • 総ページ数
      235
    • 出版者
      放送大学教育振興会;NHK出版

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公開日: 2016-05-27  

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