感染症流行時に酪農関連施設周辺で使用される各種消毒剤の土壌環境への影響を調べた。各施設周辺に多い種類の土壌を採取し,塩素系消毒剤,アルカリ系消毒剤,複合製剤を散布後,7種類の有機溶媒を使用して超音波抽出したものを変異原性試験に供した。その結果,塩素系消毒剤散布土壌アセトン抽出物等で強い変異原性が検出され,その多くは直接型の塩基対置換型の物質だった。各土壌で,副生成物の変異原性は時間の経過とともに減少し,特に変異原性が強いものほど1年後には約80%以上が減少した。副生成物をガスクロマトグラフ質量分析計で分析した結果,ベンズアルデヒド等,変異原性物質の存在が示唆された。
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