本研究は、BPAという環境ホルモンによる神経細胞死の研究過程で偶然に神経突起伸長作用を発見したことがきっかけとなり、その生物学的意義を解明するために開始された。研究開始当時は、所謂、”メス化”のみが研究の対象であったため、BPAが地球上の生物における脳神経系への新たなリスクファクターとなり得るのかが興味の対象となった。解析の結果、神経細胞に対し、突起伸長作用を有する他に細胞体が双極化することが分かった。また、これらの作用は、ヒストンH3内の14番目のリシン残基がアセチル化することにより引き起こされることが明らかになった。
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