研究課題/領域番号 |
25340106
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
八木 久彰 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 主任研究員 (40344121)
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研究分担者 |
国岡 正雄 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境化学技術研究部門, 研究グループ長 (60211885)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生分解プラスチック / 嫌気分解 / RT-PCR-DGGE |
研究概要 |
山田バイオマスプラントで採取した液体肥料を、55度で20日程度インキュベートして55度の嫌気汚泥を作った。嫌気汚泥の上層の溶液部分と4種のプラスチックサンプル(ポリ乳酸(PLA), ポリカプロラクトン(PCL),ポリヒドロキシ酪酸(PHB),ポリブチレンサクシネート(PBS))を混合してMODA-B装置に封入し、プラスチックの嫌気分解試験を行った。PHBは14日で90%、PCLは50日で80%、PLAは75日で75%嫌気分解された。PBSは100日経過後も全く嫌気分解されなかった。プラスチック分解中に働いている微生物群を解析するため、分解の各段階で汚泥を採取し、汚泥のRT-PCR-DGGE分析をテクノスルガラボに委託して行った。PCLの嫌気分解過程では細菌の主要な5つのRT-PCR-DGGEバンドが現れ、このうちの3バンドは単離されている細菌とは近い相関を示さなかった。PCLのメタン発酵によるバイオガスの放出が始まる直前から、1つの主要な細菌のRT-PCR-DGGEバンドが現れ、これに対応する細菌がPCLの最初の分解に関与していると考えられる。PCLの嫌気分解に関与する古細菌としては、Methanothermobacter marburgensis (99%)および未単離の古細菌が検出された。PHBの嫌気分解過程では細菌の主要な3つのバンドが現れ、Peptococcaceae bacterium、Bacteroides plebeius, Catenibacterium mitsuokaiと97%、100%、98%の相同性を示した。PHBのメタン発酵に関与している古細菌としては、Methanosarcina thermophile (99%), Methanosarcina barkeri (95%)が検出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書の中の研究計画の1つに、「55度でのPLA以外の代表的な生分解性プラスチック(ポリブチレンサクシネート(PBS),微生物ポリエステル(PHB),ポリカプロラクトン(PCL))の嫌気分解の試験をする。また、それぞれの試験物質の分解試験中の汚泥をRT-PCR-DGGEで分析し、55度での嫌気汚泥中のプラスチック分解に関与する微生物を検出し、生分解性プラスチック分解に関わっている微生物群を明らかにする。」という項目がある。これに関連して、2013年度は、55度でのプラスチックの嫌気生分解度を測定し、55度でのプラスチックのメタン発関与する細菌と古細菌についての解析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
37度でのプラスチックの嫌気生分解度を測定し、37度でのプラスチックのメタン発酵に関与している細菌と古細菌について解析する。 55度でPLA,PCLのメタン発酵に関与している微生物の中には、データベース上のものと近い相関を示さない種類のものが示唆されたので、これらが単離できるかどうか試してみる。
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次年度の研究費の使用計画 |
DGGEバンドの塩基配列解析を発注する場合は、本数をまとめたほうが単価が安くなるため。 2014年度に、DGGEバンドの塩基配列解析に使用する。
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