研究実績の概要 |
山田バイオマスプラントの液体肥料を、37度で16日培養して液体肥料内の有機物を消費させた。液体肥料の上層の溶液部分と4種のプラスチックサンプル(ポリ乳酸(PLA), ポリカプロラクトン(PCL),ポリヒドロキシ酪酸(PHB),ポリブチレンサクシネート(PBS))を混合してMODA-B装置に封入し、プラスチックの嫌気分解試験を行った。PHBは9日で90%嫌気分解された。PCLは277日で3および22%嫌気分解された。PLAは277日で29および49%嫌気分解された。PBSは277日経過後も全く嫌気分解されなかった。 プラスチック分解中に働いている微生物群を解析するため、分解の各段階で汚泥を採取し、RT-PCR-DGGE分析を行った。細菌用のRT-PCR-DGGEでは、PLAの嫌気分解過程で主要な5つのバンドが現れ、このうちの2バンドはXanthomonadaceae bacteriumとmesorhizobium sp.に100%の相関を示し、残る3バンドは単離されている細菌とは近い相関を示さなかった。PCLの嫌気分解過程では、主要な6つのバンドが現れ、このうちの1バンドはAcrobacter thereiusと98%の相関を示し、残りの5バンドは単離されている細菌とは近い相関を示さなかった。PHBの嫌気分解過程では、主要な3つのバンドが現れ、Acrobacter thereius, Clostridium sp.,Clostridium sp.と98%、98%、98%の相同性を示した。PLAとPCLの嫌気分解に関与する古細菌としては、Methanobacterium petrolearium (95%)およびMethanosaeta concilii(97%)が検出されたが、PHBのメタン発酵に関与している古細菌は、DGGE上でははっきりとしたバンドとして検出されなかった。
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