研究課題/領域番号 |
25340119
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
塚本 善弘 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (70322956)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | エコ住宅 / エコリフォーム / 推進組織体制 / 主体間連携 / 国補助事業 / 健康・省エネ住宅 |
研究概要 |
2000年代半ば以降、「エコ(省エネ)住宅」普及の取り組みが10年度にかけ、各地で国補助事業を活用し、関係主体間連携に基づき展開されてきた。その後のエコ住宅普及状況と推進組織体制のあり方を探る本研究初年度は、関連文献収集とともに、主に東北・関東・東海地方など、北・東日本で先導的事業を行ってきた団体・自治体対象聴き取り調査・資料収集を実施し、現状や問題点把握に努めた。 高断熱・高気密エコ住宅やエコリフォーム技術は既に国内にあるが、3つの障害―住まい手への情報提供・啓発、地域ビルダー育成、割高な建築・導入費用―が依然、ネックとなっている。確かに各団体・自治体による関連セミナー・勉強会参加者の反応、行政が整備したモデルハウス訪問者の増加からは、市民や住宅業界関係者の東日本大震災後の関心の高まりが窺える。また、地域経済活性化策を兼ね、エコ住宅建築補助金制度導入自治体が増えるとともに、団体・県単位での詳細なエコ住宅関連情報掲載サイト開設・運営等、普及施策・取り組み内容は向上している。しかし、関心を示す市民は一部に留まり、安価な低省エネ性能住宅を求める傾向は根強く、地域の中小規模住宅事業者間の設計・施工力の格差、行政財政事情による補助金支給減額傾向など、課題は残存している。 一方、推進組織体制をめぐっても、国委託・エコリフォーム普及事業を08~10年度にかけ担っていた全国組織「エコリフォームコンソーシアム」が活動を停止し、各地のエコ住宅普及団体への国補助が終了した11年度以降、主体間連携に基づく推進組織が資金難に陥り、活動規模縮小や活動休止に至った例も少なくない。他方で、住宅関係者間でここ数年、健康とエコ住宅との関連、健康な住まい環境としての高断熱住宅の注目度が上昇し、「健康・省エネ住宅」普及に向けた団体も各地で結成され始めており、今後の研究では、こうした動向も含め調査していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度はまず、年度・前半から中盤にかけて、住まいの省エネ化促進への政策・動向全般、ならびに「エコ住宅」普及に直接関連する最新文献の収集・分析により、住まいの省エネ化とエコ住宅普及をめぐる全般的動向・課題の把握を進めていった。その上で、年度・後半以降に、2000年代半ばから北・東日本各地で先導的なエコ住宅普及事業を展開してきた主な団体・自治体を対象とした訪問聴き取り調査・資料収集を精力的に実施した。 都合により、当初予定していた近畿地方での調査を次年度に変更した以外は、おおむね当初計画通りであり、2年目に訪問調査を行う予定の北信越地方を除き、北・東日本の調査実施地域(県)でのエコ住宅普及推進組織体制や、普及への3つの障害克服に向けた取り組み・施策内容、問題点等を、順調に把握・分析することができた。 なお、年度・後半以降に各地を直接訪問し、詳細な聴き取り・資料収集を行ったため、初年度中に研究成果を論文等の形に纏め公表するまでには至らなかった。詳細な研究成果の公表は、2年目以降に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
まず、住まいの省エネ化、「エコ住宅」普及関連最新文献・資料の追加的収集、及び、その検討を進めていく。同時並行的に、特に研究2年目・半ばにかけては、北信越地方と近畿以西の西日本で、2000年代半ば以降に先導的エコ住宅普及事業を行ってきた団体・自治体を中心とする聴き取り調査・資料収集を実施し、国内各地方における普及をリードしてきた団体・自治体(県単位)での取り組み状況や課題の詳細な把握・分析を進めるとともに、エコ住宅普及に向けた望ましい組織的特徴を明確にする。 その上で、研究2年目・後半から3年目・前半にかけ、それまでの聴き取り調査未実施地域を含む国内各地(各県)の普及推進実態・課題析出のため、地域レベルの省エネ化・低炭素社会づくりの中心的担い手となっている各県の「温暖化対策地域協議会」や「地球温暖化防止活動推進センター」を主対象とした郵送式アンケート調査を実施し、データ集計・分析を行う。その結果も踏まえ、一連の調査研究結果を取り纏め、エコ住宅普及策を提言する。 なお、研究2年目以降の調査・分析作業の一部は、(都合により、初年度の協力を願えなかった)学外・民間企業所属者1名に、「研究協力者」として了承を得た上で協力してもらい(作業を委託)実施する予定である。
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