研究課題/領域番号 |
25340147
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京情報大学 |
研究代表者 |
中尾 宏 東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (40327218)
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研究分担者 |
下嶋 聖 東京農業大学短期大学部, その他部局等, 助教 (60439883)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 環境CSR / 空間情報技術 / 植樹活動評価 / 森林管理 |
研究概要 |
本研究の目的は、国内で環境CSRの一環として企業が実施している植樹活動の実態を把握し、その活動内容の系譜を調べ、活動内容に応じた分類・体系化を試み、我が国の植樹活動の特徴を明らかにし、加えて、環境CSRとしての植樹活動の評価方法のシステムづくりを検討するためのデータ基盤整備を行うことにある。 連携研究者に東京情報大学総合情報学科講師茂籠幸代を加え代表研究者中尾宏を中心に文献調査と上場企業にみる環境CSRの一環としての植樹活動の実施状況を当該企業のホームページ、および環境CSR報告書等を収集し、環境CSRにおける植樹活動の体系化を行うための情報収集を行った。 合わせて研究分担者下嶋聖を中心に連携研究者鈴木伸一により調査地の植生調査とGIS及びリモートセンシングを活用した環境CSRとしての植樹活動の評価方法のシステムづくりの検討に向けて、空間情報技術を活用した植樹活動評価のためのデータ収集を行った。 データ整備のため次の調査を実施した。1.DGPS測量調査により各植樹地の位置をDGPS受信機を用いて取得した。一連の作業過程を簡素化するために、GISのソフト(ArcGIS10)と互換性の高いニコントリンブル社製のDGPS受信機を使用した。2.各植樹地の毎木調査を行った。位置・樹高・胸高直径・樹種を記録し、ビツターリッヒ法を用いて林分積材を把握し、併せて潜在植生の判断要素として気象計を設置し林内気象のモニタリングを行った。3.デジタル一眼レフカメラを用いて立面方向からのNDVI画像撮影と、天頂方向への全天空撮影を行い、各植樹地の現況把握や成長度合いの評価を行うための基礎資料収集を行った。 上記に加え、航空機を使ったデータ計測を行い、これを基にレーザデータのフィルタリング処理を行いDEM,DSMを作成した。また、地形状況明瞭に把握できる赤色立体地図、反射強度画像を作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は主に環境CSRとしての植樹活動の評価方法のシステムづくりを検討するための調査と測定によりデータ基盤整備を行った。概ね計画どおりに成果をあげること出来たが、25年8月15日に航空機を使って収集した詳細データの事後処理に計画以上の時間を要したため、他のデータとの関連付けを含め総合的なデータ整備に若干の遅れが出たため、「やや遅れている」と評価した。 その他、環境CSRにおける植樹活動の体系化を行うための情報収集、空間情報技術を活用した植樹活動評価のためのデータ収集は、概ね計画どおりに成果をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
共同分担者下嶋聖を中心に初年度に収集した基盤データの整備を進める。あわせて、連携研究者鈴木伸一を中心に同じく連携研究者の菅原泉の協力を得て、昨年度より継続的に行ってきたピジョン美和の森、及び周辺の植生調査を完了し、植生図を整備する。 これらを基に分析を進め、具体的な植樹活動による森林景観の育成と保全管理方法の検討を行う。 中尾宏を主に茂籠幸代の協力により顧客満足度調査の手法を用いて植樹活動の参加者に対して、森林景観の育成と保全管理のあり方を検討する上での活動に対する意識構造の把握するために、関するアンケート調査を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
空間情報技術を活用するために一般に公開、または市販されている調査地周辺の画像データを収集し調査を進めたが、データ精度や情報量に限度があり、十分な情報収集ができなかった。 これを解決するため、並行して行っている関連研究の予算を用いて航空機を使ったデータ計測を行ったが、計測後の作業(EM,DSMを作成、赤色立体地図、反射強度画像の作成)が遅れたため全体の作業に遅れが生じた。これにより、詳細データをもとに解析するためのPCや大型ディスプレー等、機器のスペックが定まらず、購入を先送りした。 昨年度末にPC、大型ディスプレーのスペックを確定した。これを基に必要な機器選定を進めるとともに、今年度前期中に関連機器の整備を図る予定である。 また、これに加えAR(仮想現実)による植樹状況の開示をより効果的に行うために、現在その評価が高まってる3Dプリンターの導入を検討する。
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