研究課題/領域番号 |
25340150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都精華大学 |
研究代表者 |
竹宮 惠子 京都精華大学, マンガ学部, 教授 (80330033)
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研究分担者 |
松田 毅 神戸大学, その他の研究科, 教授 (70222304)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | リスクコミュニケーション / 社会合意形成 / 社会コミュニケーションマンガ |
研究概要 |
本研究は、“マンガ”を用いた社会合意形成の実現に向けて、“マンガの機能”の彫琢および方法論の確立と標準化をはかることを目的としている。平成25年度は下記の調査・研究を実施した。 1.既往のマンガにおける《マンガの機能》(文法)の精査に適したマンガ作品の精選。既往のマンガ作品は枚挙にいとまがないが、時代を画する表現、とくに社会合意形成を実現するに好適なマンガ表現を精査。 2.一方、本研究課題のバックボーンにあるリスク・コミュニケーションとの連動をはかるため、神戸大学と共同して、東日本大震災におけるアスベスト禍を調査するため、釜石を中心に現地聞き取り調査を実施。 3.その成果として、ブックレット『マンガで読む 震災とアスベスト』を作成し、社会合意形成に向けたマンガの機能を実証的に検証した。 本ブックレットによるマンガの社会的波及効果=社会合意形成の実現度については、平成26年度におけるアンケート調査等を通じて明らかにするが、“マンガの機能”の彫琢および方法論の確立および標準化に向けての基盤を構築することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ブックレット『マンガで読む 震災とアスベスト』制作のための調査および編纂に多くの時間を割いたため、平成25年度内に予定していた、既往のストーリーマンガ、実用マンガにおける“マンガの機能”の集約・整理・データ化および分析を完遂するには至らなかった。 一方で、本ブックレットの制作により、社会合意形成を実現するための“マンガの機能”に関する、より広範な意見を募る機会が広がったことは、今後の研究の拡がりにつながることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年に刊行した『マンガで読むアスベスト問題 石の綿』およびブックレット『マンガで読む 震災とアスベスト』を研究資源とし、社会合意形成を実現するための“マンガの機能”に関するアンケート調査を一般読者ならびにマンガを制作・評論を専門とする斯界研究者を対象に実施。併行して、既往のマンガ作品から社会合意形成を実現するに好適なマンガを精査して分析し、社会コミュニケーションマンガの機能の彫琢とデータ化に取り組む。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.社会合意形成の方法論の検証と確立のために予定していた機材購入および記録整理のための作業に遅れが出て、その為の物品費、人件費・謝金を持ち越すこととなった。 2.既往のマンガにおける“マンガの機能”のデータ化が予定より遅れ、その為の人件費・謝金を持ち越すこととなった。 1.平成26年度前期において、社会合意形成の方法論の検証と確立のための記録整理作業を推進する。 2.既往のマンガの“マンガの機能”のデータ化を、1と併行して行う。
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