研究課題/領域番号 |
25350004
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
桐山 孝司 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (10234402)
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研究分担者 |
佐藤 雅彦 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授(Professor) (80317312)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 工学知識 / メディアデザイン / デジタルファブリケーション |
研究概要 |
本年度はデジタルファブリケーション技術を用いて容易に複製できる方法で機構を製作することを検討した。工学知識の経験的理解のために実際に触れられるモノをデザインすることを目的として、メカニズムの事典を参照し、組立が容易であること、パラメトリックな設計ができることなどの観点から機構を選択した。そして選択した機構を試作するために、大学院生を対象として、レーザーカッターでの加工ができる環境でワークショップを行った。描画した部品をすぐに組み立てられることで機構の実験がしやすくなることを確認するとともに、レーザーカッターの性質から平面状の部品が多くなるので対偶の作り方に工夫を要することも確認した。レーザーカッターで加工しやすい対偶の作り方を見つけることは来年度以降の課題である。 工学的知識の応用という点から、機能要素を含む実用的な機械を対象とした試作を行った。具体的にはベルトを使った動力伝達機構を想定して、デジタルファブリケーションを活用して展示用のターンテーブルを組み立てた。実際に物理的な装置を組み立てることで、ベルトを使って容易に回転方向を逆にできることなどが実証できる。一方で設計上の選択という高次のレベルにも注目し、ベルトで逆転させることと摩擦を減らす面から反対方向に回転するモータを選択することとのトレードオフも一種の工学的知識として扱った。具体的な知識を発動することが経験的理解を深めるとの立場から、実際の博物館の展示での問題解決のプロセスをケーススタディとして発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の目標として、メディアデザインのためにレーザーカッターにより量産できる形で機械部品の製作を行うことを挙げており、この目標は概ね達成できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
流通するためのメディアデザインとして量産できるパッケージングを検討する必要があり、26年度は特にこの点について推進する予定である。
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