研究課題/領域番号 |
25350004
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
桐山 孝司 東京藝術大学, その他の研究科, 教授 (10234402)
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研究分担者 |
佐藤 雅彦 東京藝術大学, その他の研究科, 教授 (80317312)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 工学的知識 / 視覚化 / 展示 |
研究実績の概要 |
本年 工学的知識の経験的理解を促すために適切な手段について検討し、美術館や博物館の展示に注目した。そして動きをテーマにした展示に参加することにし、翌年度の開催に向けて準備を始めた。この展示では、機械や流体などの物理的な動きに基づいた展示物を多く扱う予定であり、それらの展示物について科学的な説明を行うことで、体験的であるとともに背景にある理論についても理解が促されるような工夫を考察した。例えばベルヌーイの定理によれば流れの中で物体は流れの速い方に圧力差で引き込まれるが、そのような作用を実際に触れられる展示物とともにアニメーションで提示することで、鑑賞者は物体に働く圧力を手で感じるとともに流体の圧力差が起きる理由についても理解を助けることができる。また昨年度から試作を始めている機械の素から取材した機構も同様に、実物に触れることによって動きを説明することにした。ゼネバ機構やスライダークランク機構などの模型を実際に動かせる状況を準備することで、機械的な要素やそれらが日常的な状況で使われている様子の理解が容易になる。さらに歴史的な発展の理解として、ディドロの百科全書に収録されている機械に注目した。百科全書の中でも風車などの農業機械の説明は図版も豊富であり、動きが想像できるように工夫されているので、説明とともにその図版を展示することにしている。動きの科学展は2015年に開催予定であり、来年度もそれに向けた準備を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画より、工学的知識を体験的に理解できる環境を広く一般に提示することを目的としている。来年度の展示に向けて準備を行っており、目的が順調に達せられたと判断する。
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今後の研究の推進方策 |
展示に必要な試作などを効率よく行っていくことが必要であるとともに、経験的理解を促進することができたかどうかを現場での観察から確認することが新たに課題となってくると考えている。
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