本研究は,非言語の情報として触覚に着目し,圧力変化をつけた渦輪を使った触覚ディスプレイを用いて顔の頬部に触覚フィードバックを行うことで,人の生体情報を制御することを目的とする. 本年度は渦輪の特性を考慮した圧力可変型の装置を試作し渦輪生成のメカニズムを検証した.また,ユーザーの生体情報を無線型の心拍センサーでリアルタイムに計測し周波数解析することで自律神経のバランスを算出しストレス状態をシステム側が検出,それにあわせ,渦輪の発射間隔,圧力値を制御し異なる渦輪をあてることでユーザーのストレス状態,主観的疲労度,主観的睡眠度,単純計算の回答率から定量的に触覚フィードバックの効果を評価した.それにより空気圧が強く,発射間隔が短い(0.20MPa/2sec)ほどストレス増加が抑制され覚醒の方向に変化がみられることが明らかになった.また,空気圧が弱く発射間隔が長い(0.10MPa/5sec)ほど睡眠誘導される傾向があることが明らかになった.
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