研究課題/領域番号 |
25350018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大井 尚行 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (40294996)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 照明デザイン / 輝度分析 / 画像 / 屋内視環境 / 屋外視環境 |
研究概要 |
さまざまな環境(視環境)においてデジタルカメラを用いて広視野の画像撮影を行い,画像データより輝度ヒストグラムを作成し,これらをとりまとめたデータベース化のために,撮影機材の選定,購入,試行撮影を実施した。 (1) 対象環境 対象環境選定のパラメーターとして,用途,空間の大きさについて取り扱う。対象環境の用途としては,本研究で取り扱う照明デザインが最も活用されると考えられる住宅,ホテルなどのエントランス,通路,居室等について,現実の環境での撮影を行った。また検討の結果,近年一般的となってきた屋外環境の照明演出も対象に含めることとし,樹木ライトアップおよびライトアップイベントについて撮影を実施した。 (2) 撮影方法 本研究では,分析対象とする視野範囲の最適化についても検討を行うため,じゅうぶんに広視野のデータを撮影しておく必要がある。さまざまな環境で撮影を行うために小型カメラ+広角レンズ,またさらに広視野の撮影のために魚眼レンズを導入した。 (3) 輝度ヒストグラムの作成 輝度分布測定システムを用いて撮影画像各ピクセルの輝度データを得るため輝度分析ソフトを最新版に更新した。通常のデータでは各ピクセルは中心からの距離により立体角範囲が異なるため,ピクセルデータの重み付けを行って立体角単位のデータに変換する手順を確認した。このデータを用いて,横軸が輝度値の対数,縦軸が立体角であるヒストグラムを作成する。このようなヒストグラムをいろいろな視野範囲に対して作成することができる。これらをとりまとめてデータベースを構築する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
さまざまな環境(視環境)においてデジタルカメラを用いて広視野の画像撮影を行う計画に対し,有効な撮影機材が選定,購入でき,試行撮影も問題がない。 対象環境選定のパラメーターとして,用途,空間の大きさについて予定通り取り扱えそうである。予定通り対象環境の用途としては,本研究で取り扱う照明デザインが最も活用されると考えられる住宅,ホテルなどのエントランス,通路,居室等について,現実の環境での撮影を行うことができた。また検討の結果,近年一般的となってきた屋外環境の照明演出も対象に含めることとし,樹木ライトアップおよびライトアップイベントについて追加して撮影を実施することができた。 本研究では,分析対象とする視野範囲の最適化についても検討を行うため,じゅうぶんに広視野のデータを撮影しておく必要があるが,さまざまな環境で撮影を行うために購入した小型カメラ+広角レンズが有効である。また分析ソフトを更新することで,さらに広視野の撮影のために魚眼レンズも使用可能となりそうである(確認中)。 輝度分布測定システムを用いて撮影画像各ピクセルの輝度データを得るための輝度分析ソフトを最新版に更新した。通常のデータでは各ピクセルは中心からの距離により立体角範囲が異なるため,ピクセルデータの重み付けを行って立体角単位のデータに変換して扱う予定であったが,その手順も順調に確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定どおり研究計画を推進する。 ・引き続き,さまざまな環境(視環境)の画像・輝度ヒストグラムを撮影収集し,データベース化する。 ・データベース化した環境画像について「明るさ」と「魅力」の2 尺度を中心とする主観評価実験を行いその結果をデータベースに加える。そのために良好な輝度再現を実現できる画像提示装置を含む実験環境を構築する。 ・輝度ヒストグラムと主観評価データの関係を分析し,主観評価を規定する輝度ヒストグラムの視野範囲,形状特徴とその簡潔な記述方法を見いだし,特徴記述の異なる輝度ヒストグラムを持つ照明環境を構築し,主観評価実験を行うことによって記述の有効性をある程度検証した上で研究成果を照明デザインに用いるための手法としてとりまとめ公表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究を進める中で,輝度データを収集するための撮影機材は更新する必要があり,また次年度以降の評価実験用提示装置として,当初予定していたものよりも輝度再現性のすぐれたものが必要であることが判明した。 これらに必要な予算を確保するため,輝度分析解析ソフトを新規購入せず,更新することとした。 評価実験用提示装置として,当初予定していたものよりも輝度再現性のすぐれたものおよびそれに合わせて映像送り出し用のPCも次年度使用額と当初予定額を合わせてまとめて購入する。
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