研究課題/領域番号 |
25350035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 梅花女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
吉田 美穗子 梅花女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90342203)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | フラクタル / 対数螺旋 / 空間デザイン / 形の美 |
研究概要 |
研究員4人で科研会議等で互いに意見を交わしながら研究を進めていった。実制作に当たる2人を学校側からの職員2人がサポートする体制で本研究は始動した。 初年度の研究としてはJavaやC言語、ロゴ坊等で表現されているフラクタルのプログラムをVectorScriptに書き直し、CAD表現が可能かどうかを判断していくという手法をとった。 そこで、絵画でのフラクタル図像に注目し、対数螺旋を組み込んでの空間構成の実例を分析して、その意義を検討した。効果的なフラクタル図像とはどう表現され、構成されているのかを具体的に数値でとらえ、幾何学的形体を平面上・空間上に表出させるための効果的な手法を検討し、データの収集に努めた。 既往研究におけるフラクタルのデザイン性を活かしつつ、美的なデザインの構成を検討した結果をデザイン学会の口頭発表で広く意見を求め、梅花女子大学短期大学部紀要で論文を発表した。 また、本学図書館情報センターを通して研究成果をホームページ上で分かりやすい動画等を利用して発信するための準備をしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力者とともに開く会議により意識の統一が図られ、研究は滞りなく進んでいる。 研究協力者の意見は貴重で、さらに昨年度末から協力者が2人増えて、ますます意見の交流が盛んとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、平成25年度の計画から一歩進めて、「効果的に美的空間を創り出す」という仕事にとりかかる。 創り出すのはCADにおける3D空間で、色や大きさ・角度等、種々の要素の数値(パラメーター)を変化させてデータを集め、その中から整った形体を選択して決定する。 さらに最終年度の平成26年度は建築・インテリア空間構成のためのプログラムの確認とCADへの展開、さらに授業へのカリキュラムを検討していく。また、研究成果は研究協力者を含めて、それぞれのホームページで発表して梅花女子大学紀要や学会誌に公表し、効果的なプレゼンテーションを行ない、そこでの様々な意見を本研究に反映していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度に行った芸術作品での分析を基に、今年度はその手法を応用した美的空間をフラクタル図像を用いて創り出すという作業にとりかかる。 よって、昨年度の研究をさらに進めて続行を希望するために研究費の使用額が生じる。 昨年度は絵画等の平面的な芸術作品で、実際に用いられているフラクタル図像の構成を具体的に把握することが主な研究課題であった。 そこでの分析と考察を基に、今年度は効果的な構成をscriptを用いて空間に具現化することを試みる。色や大きさ・角度等、様々な要素を変化させた多くのバリエーションの中から汎用性の高いデザインを集めて取りまとめていく。さらに最終年度である平成26年度では、デザイン等を専攻する学生を対象にコンピュータの授業で、容易にフラクタル図像を用いた空間構成が学べるカリキュラム開発を行う予定であり、そのことを意識して、フラクタル図像の構成はシンプルで分かりやすいデザインを心掛ける。
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