研究課題/領域番号 |
25350037
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研究機関 | 兵庫県立工業技術センター |
研究代表者 |
後藤 泰徳 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 研究員 (70470242)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | モーションキャプチャー / デジタルヒューマン / エルゴノミクス |
研究実績の概要 |
ウェアラブルモーションキャプチャーシステムは各関節の角度を計測する関節計測モジュールと、各関節モジュールの動作量を同時に通信し記録する通信システムで構成され、各関節モジュールは肩関節モジュール、肘関節モジュール、股関節計測モジュールなどがある。通信システムは関節からの計測データを同時通信する通信基板と、ブルートゥース無線を介して、計測データを記録するスマートフォン(またはタブレット)によってによって構成される。各関節計測モジュールについて、そのデザインと制作を行った。デザインにはCAD アプリケーションSolidWorks を使用し、3Dプリンタ(㈱ストラタシス・ジャパン社製Connex 500)で出力した。モジュールのデザインにあたっては、関節の特徴的な機構を考慮しながら進めた。例えば肩関節の動きは他の関節にくらべて複雑で、鎖骨回旋を伴ってはじめて肩甲骨を60 度上げることが可能に なる。鎖骨の回旋がなければ、上肢は30 度しか,頭上方向に上げることしかできない。したがって、肩関節計測モジュールが肩甲骨の動きに追随するようにゆるやかに肩甲骨に固定した上で、鎖骨の回旋を伴う肩甲骨60 度回転の動きに追随するような機構設計を行った。前述の機種は、ゴムライクな素材で出力することが可能である。また、一つの部材の中に硬い部位とラバーのように変形可能な部位を一体として成形できる(一種の傾斜設計)。この特性を利用し、身体に接触する部位を身体の曲面に沿って変形しながらフィッティングするようにデザインした。通信システムの基板も前年度の雛形を基本にしながら、当初の目的であったウェストポーチに入る大きさにまで小型化できた。また、データロギングのためのスマートフォン搭載アプリケーションについても完成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
股関節計測モジュール、通信システムが完成し、ウェアとしてアッセンブリーする準備が整った。最終年度はこの2種類をウェア内部に実装する。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度はこの2種類をウェア内部に装備する。股関節計測モジュール、通信システムを動きを妨げないよう、ウェア内部にレイアウトする予定である。各関節に動作量を計測する関節計測モジュールと、その変移量を同時計測する通信システム基板、データロギングを担当するスマートフォンの3つを衣服内部に適切にレイアウトすることで、低コストで人体の動きをキャプチャーする衣服型動作入力装置を中核としたウェアラブル・モーションキャプチャーシステムのプロトタイプが完成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度は、複数回の関節モジュールの設計修正ー3Dプリンターによる再試作が想定された。そのための材料費がかかることが予想されたため、繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、これまで制作してきた、関節計測モジュールや通信システムをウェアとしてアッセンブリーする計画であるが、その段階で、複数回の関節モジュールの設計修正ー3Dプリンターによる再試作が想定されるため、その材料購入費に充当する。
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