研究課題/領域番号 |
25350040
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
大竹 美登利 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40073564)
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研究分担者 |
坂田 隆 石巻専修大学, 理工学部, 教授 (00215633)
山崎 泰央 石巻専修大学, 経営学部, 教授 (10387293)
加藤 浩文 東北生活文化大学, 家政学部, 教授 (20296023)
萬羽 郁子 近畿大学, 医学部, 助教 (20465470)
野田 奈津実 尚絅学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (20615819)
小川 宣子 中部大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30139901)
久慈 るみ子 尚絅学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (40153291)
生田 英輔 大阪市立大学, その他の研究科, 講師 (50419678)
吉井 美奈子 武庫川女子大学, 文学部, 講師 (60413481)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 東日本大震災 / 生活研究 / 石巻 / 仮設住宅 / 被災者 / 仕事支援 |
研究概要 |
東日本大震により生活基盤を失われた被災者、特に仮設住宅に入居している石巻市の人々の生活復興の過程を、生活再建をともに担う協働者として関わりながら、そのコミュニティの生活変化を捉えることを目的とした。 本年度は、昨年度行った学会発表ならびにその他の研究をもとに、『東日本大震災ボランティアによる支援と仮設住宅―家政学が見守る石巻の2年半―』(建帛社)を出版した。本研究の成果は主に第3章に収められている。 3章では1.生活支援活動としての料理教室・手芸教室・子育て教室の取り組み 2.NGOピースボートによる炊き出し支援の献立分析と提案について執筆した。1.料理教室・手芸教室・子育て教室の取り組みでは、調理教室や手芸教室に集う人が独居の高齢期女性や育児時期の女性が中心であったが、若い世代ではそれらの習得した技術を仕事につなげたいという意欲があり、一方で高齢期の人々はコミュニケーションをとることを目的とし仕事へつなげる要求はないことが把握できた。2.炊き出し支援の献立分析では、3月26日からの炊き出し記録を分析した結果、①肉類、魚類、卵、大豆及び大豆製品などのたん白質食品は量的に不十分あったこと、②牛乳・乳製品ならびにV.Cが不足しがちであったこと、③初期と最終期は、品数が少なく、主食、副菜、主菜の充足率も、エネルギーの充足率も低かったこと、④栄養不足を回避するために保健機能食品の使用も視野に入れた献立も有効であることが明らかとなった。この結果を受けて、炊き出し衛生マニュアルの冊子を作成し、被災地などの炊き出しに役立てることとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
支援に関わっているボランティア団体を中心にしたインタビュー、並びに仮設住宅住民への調査を実施することができ、計画にそった取り組みができた。
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今後の研究の推進方策 |
これらの研究調査結果をふまえた復興期に向けた生活支援として、今後は仕事創造の支援をしていくことを計画している。このプロジェクトで取り組む仕事支援は、主に家政学の専門性を生かした衣食住に関する商品の開発・生産・流通における、(1)子育てや家事をしながら居住地コミュニティを拠点とした仕事創造の取り組みと、(2)石巻の地場産業の活性化をはかり石巻を拠点として働く人々(主に家庭を持つ女性就業者)の生活自立に結びつく仕事の支援である。こうした取り組みを通して、被災者の生活復興への変化を追跡する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
石巻での訪問調査を計画した中で、その日時に都合が合わず参加できなかったことによる旅費の剰余、ならびにインタビューテープ起こしを自前で行ったことによる節約によって、剰余金が生じた。 2014年度はインタビュー可能な対象者も増加していること、また仕事支援が始まることによる打ち合わせなどの回数が多くなることにより、旅費が2014年度より増加する見込みであること、インタビューテープ起こしを外注することになったための作業日野増加に当てる予定である。
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