研究課題/領域番号 |
25350044
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金谷 久美子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80601137)
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研究分担者 |
中山 健夫 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70217933)
足立 雄一 富山大学, その他の研究科, 教授 (80184191)
濱崎 景 富山大学, その他の研究科, 准教授 (50533494)
大西 一成 鳥取大学, 医学部, 助教 (50596278)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ビタミンD / アレルギー / 紫外線 / 母子保健 |
研究概要 |
1. 妊婦の紫外線曝露状態:紫外線に対する考え方と、実際に日光に曝露される時間について3地域4607名から回答を得て、平均的な妊婦像と個人や地域でどの程度のばらつきがあるのかをみた。また、生後3ヶ月頃の児の日光浴の頻度、そして母親の紫外線に対する考え方や出産前の生活スタイルが、児の日光浴頻度にどのように影響しているかをみた。 妊娠中に日光を15分以上あびる頻度は「ほとんどない」「週に1-2日」「週に3-4日」「週に5日以上」が4分の1ずつであった。「冬でも肌に直射日光をあてることはほとんどない」ものも地域によらず2-3%存在した。「赤ちゃんの紫外線」への考え方は「赤ちゃんはできるだけ紫外線にあてない方がよい」と考える母親も「赤ちゃんが弱い日差しに週に数回あたることは大切である」と考える母親も30%程度ずつ存在した。生後3ヶ月頃の児の日光浴頻度は、週に1~2回が最も多く30%強、ほとんどしなかったものも20%いた。妊娠中に日光をあびる頻度はその後の児の日光浴の頻度や屋外に出る頻度と強く相関していた一方で、「赤ちゃんの紫外線」に対する考え方は、児の日光浴や屋外に出る頻度にさほど大きな影響はみられなかった。 2. 妊婦のビタミンD充足状況:妊娠期血清4,7,10,1月の検体で血中ビタミンD(血中25(OH)D濃度)を測定した。まずは、骨代謝の観点から不足, 不十分の基準とされる10, 25ng/mL未満の存在割合を季節毎、地域毎に算出した。76%が「不十分」11%が「不足」の状態であった。明瞭な季節変動があり、特に冬の終わり(4月)の採血では80%が「不十分」18%が「不足」、「十分」であった妊婦は2%という結果であった。普段、日光にあたる頻度が高い(ほぼ毎日15分以上)妊婦では、頻度が低い妊婦より年間を通じてビタミンD濃度が有意に高く(+3.2ng/mL)、夏にその差が大きかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
妊婦の紫外線曝露に関するデータや児のアレルギー発症に関するデータ等、必要なデータは予定通りに入手できている。また、それらを使った解析も予定通り完了できた。 食事中のビタミンD量についてのみ未解析であるが、これはデータクリーニングを待っている状態であり、データ自体は得られているため、近い将来、解析が実施できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
データは順調に蓄積している。今後も予定通りに実施していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
薄謝の送付を次年度にまわしたため、糊や紙の代金が余った。 昨年度の余剰分は、予定通り参加者への薄謝送付時の糊や手紙の印刷等に使う。 その他変更の予定なし。
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