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2015 年度 実績報告書

「適正なクレームの発信」に必要な要素の分析、および教育法の考案

研究課題

研究課題/領域番号 25350056
研究機関目白大学

研究代表者

田中 泰恵  目白大学, 社会学部, 教授 (80507749)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードクレーム / 論理的思考力 / コミュニケーションスキル / 攻撃性
研究実績の概要

これまでの研究において、適正に相手にクレーム(問題解決を求めている場合の要求・主張)を伝える能力として、先行研究で指摘されている攻撃性のみならず、論理的思考力およびコミュニケーションスキルも関与していることが示唆された。また、クレームだと感じる経験をした際の行動と個人特性の関連を分析した結果、「クレームをやわらかく言う」群は「論理的思考力」との関連が強く、「クレームを強く言う」群は攻撃性の「短気」との関連性がみられた。また両者に共通して「コミュニケーションスキル」「言語的攻撃性」との関連もみられた。
これらを踏まえて平成27年度には、消費者教育に利用する教材(グループワークの教材)作成の基礎資料とするために、これまでの研究を踏まえた5つのクレーム場面での行動と個人特性の関係を検討した。なお具体的には、場面A:商品の破損、場面B:配送の遅延、場面C:料理が冷めている、場面D:注文したいが店員が気づかない,場面E:電車内でのマナーの5つとした。
分析の結果、クラスターがクレームを「丁寧に言う」「やや乱暴に言う」「言わないか」の3つに分かれた場面A・B・Dで「言わない」群は、攻撃性の「敵意」と関連がみられ、「クレームを言わないこと」は「周りの人から嫌われている(受け入れられていない)と感じる」ということと関係することが示唆された。また場面BとDでは、「丁寧に言う」「やや乱暴に言う」の両方が攻撃性と関連し、クレーム内容に曖昧さがある場合は攻撃性が高い人がクレームを行う傾向になるのではないかと推測された。場面C・Eのクラスターは、「不満の表出」「合理的対処」「何もしない」の3つに分けられた。「不満の表出」群は攻撃性との関連が示唆され、また「合理的対処」群は、論理性や対人ストレススキルとの関連性が低く、不満表出による改善要求の伝達を避けるという消極的理由によるのではないかと推測された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] クレーム場面における行動傾向と個人特性2016

    • 著者名/発表者名
      澤口 右京・田中 泰恵・渋谷 昌三・吉田 正穂
    • 雑誌名

      目白大学総合科学研究

      巻: 第12号 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] クレーム場面における行動傾向と個人特性2015

    • 著者名/発表者名
      吉田 正穂・澤口 右京・渋谷 昌三・田中 泰恵
    • 学会等名
      日本心理学会第79回大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県名古屋市)
    • 年月日
      2015-09-23

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公開日: 2017-01-06  

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