本研究はテラヘルツ分光法を用い、衣服等の原料となる繊維種において、これまで識別が困難であった同族繊維に関する識別方法を開発し、近年の偽装表示問題に対応可能な信頼性の高い新規な鑑別法を確立することを目的とした。このため凍結粉砕に代わるプロセスとして、ミクロトームを用い繊維を中心軸に垂直に一定の長さで切断するプロセスを採用し、得られたテラヘルツスペクトルの1次微分情報を多変量解析することによって、テラヘルツ分光分析による高い定量性を実現した。これによってこれまで困難とされた同族繊維(分子構造や成分がほとんど同じ繊維種)の新規な識別方法としての応用の可能性を見出した。
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