| 研究課題/領域番号 |
25350070
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| 研究機関 | 岐阜大学 |
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研究代表者 |
夫馬 佳代子 岐阜大学, 教育学部, 教授 (70249291)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 服装改善運動 / 尾崎芳太郎 / 大正期の改良服 / 考案服 / 和洋折衷 / 改良服の復元 / 生活改善運動 / 服装改善同盟会 |
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| 研究実績の概要 |
今年度の研究実績の主な内容としては、以下の３点の成果をあげることができた。
①尾崎芳太郎著『是からの裁縫』に掲載される改良服の復元を行い、復元過程及び完成した改良服の着装を通して、当時の技術の問題点について明らかにした。尾崎芳太郎の和服から簡易洋服への転換は、３段階（「経済服」→「改良服」→「簡易洋服」）に進めることが特徴であるが、今年度は、復元作品を着装することにより、尾崎の発想の実現性について改めて検証した。
②特に復元過程において、特徴の見られた「経済服」に関し、報告書として冊子にまとめた。報告書に掲載した改良服（和服から改良した和洋折衷服）は、「一反で八尺あまる本裁」、「三分の二でできる本裁」、「経済服経ちあわせ各種」等、８作品の考案服の検証を冊子にまとめた。本報告書の中で、製作過程の問題点、技術面での課題、着装結果の課題等、多方面から具体的に検証を行った。27年度は「改良洋服」の復元過程と着装に関し、冊子にまとめる予定である。
③大正期の雑誌に掲載される誌上講習記事と、当時の服装改善運動の推進者である尾崎芳太郎の考案した経済服、改良服との比較を行った。その結果、尾崎の提案には、和服の平面構成と洋服の立体構成を折衷する、独自の被服構成のパターンを見出すことができた。
今年度の研究成果は、上記の復元を基にした分析が主な内容となる。
今年度の分析結果は、論文及び書籍等に掲載する予定である。次年度は、最終年度となるので、「改良服」及び「簡易洋服」の復元過程及び分析の報告に関しても、今年度既に着手している。これらの成果を、次年度には展示及び着装して公開する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標は、昨年度が服装改善運動の社会背景及び尾崎芳太郎の考案服の製図及び復元に用いる布材料の収集準備を行ったことを土台とし、実際に製図（現在の製図と異なり裁図を簡略化した考案資料）に基づき復元し、尾崎の考案服の実現の可能性について検討することである。25年度に設定した目標に基づき予定通り以下の項目について実現した。
①『是からの裁縫』（尾崎著）に掲載される改良服の復元過程及び完成した改良服の着装を通して、当時の技術の問題点について明らかにした。尾崎芳太郎の和服から簡易洋服への転換は、３段階に進めることが特徴であるが、今年度は、各段階の復元に着手し、「経済服」の最初の段階の考案服を着装することにより、尾崎の発想の実現性について改めて検証。②復元した初段階の改良服である「経済服」何点かを報告書として冊子にまとめた。報告書に掲載した改良服（和服から改良した和洋折衷服）は、「一反で八尺あまる本裁」、「三分の二でできる本裁」、「経済服経ちあわせ各種」等、８作品の考案服の検証を冊子にまとめた。本報告書の中で、製作過程の問題点、技術面での課題、着装結果の課題等、多方面から具体的に検証。③大正期の雑誌に掲載される誌上講習記事と、当時の服装改善運動の推進者である尾崎芳太郎の考案した経済服、改良服との比較を行い、尾崎の提案には、和服の平面構成と洋服の立体構成を折衷する、独自の被服構成のパターンを見出した。
上記のように、今年度は当初予定した研究成果である復元と着装による分析に着手し、その結果を報告書の冊子にまとめることができたので「おおむね順調も進展している」と自己評価をした。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として、本研究は27年度が最終報告の年度になるので、以下の方法で研究成果のまとめと、研究成果の公開方法について検討し実現していきたい。今年度は以下の４つの段階で推進する予定である。
①7月下旬－尾崎芳太郎著『是からの裁縫』前編・後篇の復元終了、②8月下旬－復元に関する発表、③10月～12月－本研究の成果である、尾崎芳太郎の考案服の展示及び実際に着装する形で研究成果を公開する、④12月～研究成果の発表－服装改善運動の推進者である尾崎の考案服が、何故大正期に簡易洋服として普及しなかったのかを、実作することにより検討を行い、その分析結果を論文として発表する。
上記のように、27年度は成果の公開方法を主に進める予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
今年度の補助金の使用計画は、復元に用いる布材料が主なものであったが、当初予定した大正期の布材料の入手が困難であり、価格的にも高価になる為、布材料を変更した。本研究の目的は、大正期の尾崎芳太郎考案の改良服が着用可能であったか、実作し検証することを目的としていたので材料の変更は本研究への影響はない。
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| 次年度使用額の使用計画 |
27年度は、復元した研究成果を公開することを主な目的としている。復元作業の継続と研究成果をまとめて報告する冊子の作成、及び作品展示などの公開費用として用いる予定である。
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