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2013 年度 実施状況報告書

衣服の湿潤が体温調節反応に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 25350073
研究種目

基盤研究(C)

研究機関兵庫教育大学

研究代表者

潮田 ひとみ  兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (40223523)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード湿潤 / 衣服 / 体温調節 / シミュレーション
研究概要

モデル実験による衣服の湿潤から乾燥までの熱・水分移動特性の測定を行った.
1.モデル装置の作成:皮膚の湿潤および衣服の湿潤の両方の状態をシミュレートできるモデル装置を作成した.ステンレス製円筒を用いて,これを放射率の調整のために黒色にペイントし,円筒の上下を樹脂等で断熱し,上部に攪拌装置と温度センサ取り付け口をつけた.モデル装置に攪拌装置をとりつけ,円筒中に温水を入れ,60℃から50℃まで円筒の水温が変化する様子を測定した.乾燥状態の試料をこの円筒に巻き付け,温度低下までの時間と水温,環境温度を測定し,熱力学の第二法則に則り,時定数を算出した.黒色円筒と着衣モデルの状態での時定数を比較し,円筒モデルが簡便な人体モデルとして使用可能であることを確認した.
2.測定用素材の選択と乾燥時および湿潤時の物性値測定:測定に使用する素材は,スポーツ用の吸水速乾素材を用いた.吸水性の測定については,簡便なバイレック法ではなく,実際の着用系に近いラローズ法によって行った.先に作成したモデル装置を用いて,試料が乾燥した状態の時と,先に測定した最大吸水量を用いて,吸水状態における熱・水分移動特性を測定した.熱移動特性については,時定数で評価した.モデル装置に内衣素材と外衣素材を隙間なく巻き付けた場合,衣服間隙を数段階に変化させた場合,内衣または外衣の吸水段階を変化させた場合を測定した.
以上の測定から,内衣が湿潤している場合の時定数が急激に増加することを確認した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度中に予定していた測定装置は作成できた.吸水速乾素材の吸水特性も測定した.間隙の条件や湿潤状態の変化については,設定条件と測定回数が多かったため,予定していた条件のすべては,測定できていない.また,赤外線サーモグラムによる測定は行っていないが,今後,未測定の条件を実験中にサーモグラム画像を撮影することが可能であるため,おおむね順調に進展していると判断した.

今後の研究の推進方策

平成25年度に未測定だった条件を測定する.内衣または外衣の吸水段階を変化させた場合
を測定する.同時に,これらの測定をサーモグラフにて測定し,外衣の湿潤時または,内衣の湿潤時の熱移動について,視覚的に評価できるようにする.
これに加えて,サーマルマネキンによる熱絶縁性評価方法を再考する.

次年度の研究費の使用計画

実験補助による謝金等の支出は3月に行われているため.
実験補助の謝金等は2月から3月にかけて実施しており,計画に大きな変更はない.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 衣服の湿潤を巡る展開2013

    • 著者名/発表者名
      潮田ひとみ
    • 雑誌名

      日本生気象学雑誌

      巻: 50 ページ: 3-9

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公開日: 2015-05-28  

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