日本海側と太平洋側地域でそれぞれ1ヶ月に4~5回のペースで採取した。落下法とエアーサンプラー法(AS法)に加え、迅速測定可能なパーティクルカウンター法(PC法)でカビ汚染度を測定し、室内・室外環境のカビ動態を把握するためのサンプリングを行った。 3種類の方法による調査を行った分析結果より、PC法とAS法および落下法の間に、高い相関は認められなかったものの、低い相関性が示唆された。PC法による簡易迅速測定では、対象となる空間での対象真菌の有無の確認と、その胞子の大きさおよびその前後の粒径で計測する必要性などの課題が見いだされた。したがって、現段階において相関性は「ある」という傾向は得られるが、高いとはいえないことがわかった。測定条件をより均一化することで相関性は高まると考えられる。空気の入れ替りが限定的な条件での、短い期間での測定は、対象空間が閉鎖的な環境や空気を再利用している空間環境などは、PC法がより有効に利用できると示唆された。 簡易迅速測定を確立するためには、測定環境条件の設定および状況調査、たとえば住環境の場合は建物の築年数、空間体積、床板の種類、清掃頻度、家族構成、換気方法・回数なども確認し記載の必要が求められる。 また、3つの採取方法において、日本海側と太平洋側では総菌数の違いがあり、太平洋側の方が高い値を示すことが確認できた。菌層の違いなどは現在解析中である。
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