研究課題/領域番号 |
25350080
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研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
吉村 利夫 福岡女子大学, 文理学部, 教授 (20347686)
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研究分担者 |
藤岡 留美子 福岡女子大学, 文理学部, 助教 (50199303)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 紙おむつ / リサイクル / 高分子吸収材 |
研究実績の概要 |
平成25年度の研究成果を受け、本年度はパルプと高分子吸収材との分離を検討した。 a. 塩化ナトリウム法 濃度を極限まで高めた食塩水中で綿状パルプと高分子吸収材を処理すると、高分子吸収材が離水・凝集して、パルプとの分離が容易になると考えられる。塩化ナトリウム濃度、処理時間などの最適条件の検討を実施した。本方法では、比較的容易に分離が行えた。 b. 酸性水溶液法 上述のように、吸水した高分子吸収材を塩酸中で処理することによって、カルボン酸ナトリウムはカルボン酸になり、浸透圧が発現しにくくなるので、高分子吸収材が離水・凝集して、パルプとの分離が容易になると考えられる。塩酸の濃度、処理時間などの最適条件を検討した。分離は必ずしも容易ではなかった。 c. 溶剤処理法 メタノールなどの有機溶媒中では浸透圧が発現しにくいため、高分子吸収材は膨潤せずに沈殿すると考えられる。そのため、高分子吸収材が離水・凝集して、パルプとの分離が容易になると考えられる。塩酸の濃度、処理時間などの最適条件を検討した。予想以上に分離は困難であった。 以上の検討結果から、塩化ナトリウム方が最も可能性が高いと判断した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成26年度はパルプと高分子吸収材との分離を中心に検討を行ったところ、いくつかの有用な知見を得ることができた。a.塩化ナトリウム法、酸性水溶液法、溶剤処理法の中では、塩化ナトリウム法が最も効果的であった。これは低コストで実施可能であるため、実用化の観点からも有望であることが判明した。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度、26年度の検討で高分子吸収材再生の基本技術の見通しをある程度たてることができたので、本技術の実現可能性について、トータルケア・システム株式会社と共同で検討する予定である。この際、コスト面での実現適合性も併せて検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、手持ちの試薬類、装置等を活用することが出来たので、支出を最小限に抑制することが出来た。
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次年度使用額の使用計画 |
加熱による脱水に関する研究を効果的に進めるため、平成27年度に熱分析装置を購入する。これによって、加熱条件と吸水性能との関係を解明する。
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