研究課題/領域番号 |
25350081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎県立大学 |
研究代表者 |
庄山 茂子 長崎県立大学, 国際情報学部, 教授 (40259700)
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研究分担者 |
栃原 裕 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 研究員 (50095907)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高齢化 / 介護服 / 介護者 / 要介護者 / デザイン / 小児科 / 看護服 |
研究概要 |
【介護服について】人口の急速な高齢化が進む中で、介護サービスの必要性が高まっている。本研究では表現メディアとしての介護服に着目し、要介護者や介護者にとって最適な介護服のデザインを明らかにするために、まず 全国の介護老人福祉施設と介護老人保健施設を対象に介護服の実態調査を実施した。調査対象は、全国の介護老人福祉施設と介護老人保健施設471施設で、平成25年9月~10月に郵送法で行った。調査内容は、所在地、職員数、入所定員数、介護服に対する施設側(着せる)の視点5項目、採用している介護服、介護服に対する介護職員(着る)の視点3項目、介護服に対する要介護者(見る)の視点5項目、今後の介護服について2項目である。分析は、単純集計で行った。調査の結果 全体の78.2%の施設は、介護服を指定し、85.2%は、介護服を魅力ある施設作りの一要素ととらえていた。採用している介護服の多くは、無地のポロシャツとパンツであった。全体の80.2%は、介護服の採用に職員の意見を取り入れ、素材では、速乾性、伸縮性、透け防止を、動きやすさでは、ゆとりに配慮していた。要介護者の視点からは、清潔なイメージを与える、利用者に安全である、信頼される、他の職種と識別しやすい、日常生活の場を意識させるようにの順で配慮されていた。具体的には、主に色とスタイルによる配慮であった。全体の48.6%は、介護服の検討を予定していた。今後、介護者と要介護者の視点からのデザインの検討が求められる。 【看護服について】近年、看護服のデザインは多様化している中で、患者に「責任感や思いやり」をイメージさせるものが求められる。特に、小児科においては威圧感を与えないようなデザインが求められる。そこで、長崎市内の小学校において、平成25年9月~10月に配票留置法により、小学生400名を対象に調査を実施した(現在分析中である)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
介護服の研究を進めるにあたり、全国の介護老人福祉施設と介護老人保健施設における実態調査を終えた。(2014.5の家政学会発表予定)この調査結果をもとに27年度に実際の施設において、様々なデザインの介護服を着装いただき評価する予定である。26年度は、そのための準備を予定している。さらに、看護服に関する研究では、小児科において求められる看護服のデザインについて、小学生を対象にした評価を終えたので、おおむね順調に進んでいると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
介護服の研究については、25年度の調査結果を基に26年度は、要介護者に求められるデザイン案の検討を企業の協力を得ながら進める。また、看護服については、まだ実施していない婦人科を対象に、実際に病院内でのフィールド調査を行い、それぞれの科において求められる看護服のデザインの検討を行う。さらに、文部科学省 平成22~24年度「特色ある共同研究拠点の整備の推進事業」委託費による「服飾文化共同研究」で実施した、歯科医院や内科や外科医院で実施した結果との比較を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
看護服のデザインに関する研究として、病院の産婦人科において、実際に看護師に着装していただき、来院する患者に評価してもらうフィールド調査を実施する予定であったが、病院の都合により26年度に実施することになった。そのため、26年度に実施予定であった小児を対象にした調査を25年度に実施した。小児科における調査については、研究倫理上、病気の小児に調査協力を依頼することは、適切でないと考え、小学校を対象に行ったことで、次年度使用額が生じた。 ①病院(産婦人科)内において求められる看護服評価を行う。 看護師に着装してもらう制服作成代、病院内での研究に協力した患者への謝礼、協力企業との研究打ち合わせのための交通費、調査の補助、データ入力のアルバイト代 ②25年度の研究成果について学会発表のための交通費、論文投稿のための費用 を計画している。
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