研究課題/領域番号 |
25350083
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
長崎 巌 共立女子大学, 家政学部, 教授 (20155922)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 呉服 / 職人 / 注文 / 衣生活 |
研究概要 |
本研究は、呉服注文・制作における台帳の役割と機能、及びその使用実態を明らかにするとともに、江戸時代の呉服商における呉服制作・販売の実態を解き明かすものである。この目的に沿って、研究初年度である本年度は以下の3点から進めた。 (1)呉服関係資料及び関連染織品の所在確認:呉服関係資料及び関連染織品の所在確認を行った。前者に関しては、書名のみが明らかになっている資料も含まれるが、呉服に関わる様々なキーワードを用いて、関係すると思われる文書をアーカイブや台帳によりリストアップした。 (2)呉服関係資料及び関連染織品のデータベース化:(1)の情報を基に、呉服関係資料及び関連染織品資料を調査し、利用しやすい形態に整理し、データベース化を行った。25年度の所在確認作業の段階では、資料の中には所在が明らかでないものも散見されたため、次年度以降も、引き続き確認作業の必要性があると考えられる。 (3)現存遺品からの調査: 江戸時代初期から後期に至る小袖服飾の現存遺品の中から呉服注文のプロセスを経て制作されたことが推測されるものを抽出し、実物調査を行った。現存染織遺品は所蔵先における管理状態も様々であるため、一度に複数個所の調査を行うことが困難である。従って次年度以降も、複数回に分けて実施されることになる。 (1)、(2)の作業は、次年度(平成26年度)以降の実地調査の基盤として活用されることになる。また、(2)、(3)の研究作業は、次年度以降も継続して行われることになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画の最大の目的である、呉服関係資料、及び関連染織品の所在確認がおおむね完了した。しかし、今回の調査により、所在不明の資料も明らかとなり、引き続き調査の必要性があるといえる。
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今後の研究の推進方策 |
調査は計画通り順調に行われている。次年度も計画通り行う予定である。次年度では、所在確認できた資料の内容を調査し、撮影などによって資料の収集を図る。また、呉服注文との関係性が窺われる現存遺品の調査も継続して行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
見積もり申請時よりも、価格が下がったために差額が生じてしまった。 今回生じてしまった差額は、来年度物品費として消費する。
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