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2013 年度 実施状況報告書

日傘による暑熱緩和効果の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25350085
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大同大学

研究代表者

渡邊 慎一  大同大学, 工学部, 教授 (00340175)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード日傘 / 日射遮蔽 / 暑熱緩和 / 人体投射面積遮蔽率
研究概要

本研究は、日傘を使用することによって得られる暑熱環境の緩和効果を体感温度により評価することを目的としている。
平成25年度は、素材・加工・色の異なる7種の日傘を対象として、日傘に使用されている布の物性値(生地厚、織り糸密度、平面重、通気量、色度、マンセル値)を測定した。また、これらの日傘を用いて、日傘下に形成される熱環境を実測した。測定項目は、気温、湿度、風速、長波長放射量、短波長放射量、照度、紫外線強度である。測定値を用いて日傘による日射遮蔽率を算出した。「無加工(黒)」の日射遮蔽率は71.8%、「無加工(白)」は43.8%であり、黒色の日傘の方が日射を多く遮蔽することを明らかにした。また、特殊加工が施された「ラミネート加工」は黒色の日射遮蔽率が99.8%、白色が99.5%であり、ほとんどの日射を遮蔽することを明らかにした。また、「スパッタリング加工」および「サラクール加工」の日射遮蔽率は約80%であることを示した。
また、女子大学生3名(延べ5名)を用いて日傘による人体投射面積の遮蔽率を実測した。晴天時において、被験者の水平面に形成される日影を撮影し、画像処理ソフトを用いて写像のゆがみを補正し、日影の実面積を求めた。日傘を使用している状態および日傘を使用していない状態の面積から、日傘による人体投射面積遮蔽率を算出した。その結果、日傘による人体投射面積遮蔽率は太陽高度が高くなるにしたがって大きくなることを明らかにした。また、同じ太陽高度でも、太陽に対する方位角や日傘の持ち方によって値が異なることを示した。さらに、太陽高度を関数とした日傘による人体投射面積遮蔽率の推定式を提案した。この推定式は日傘使用時の体感温度を算出する際に不可欠なものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画通り、日傘布の物性値および日射遮蔽率を測定し、日傘による人体投射面積遮蔽率の実測を行い、現在まで研究は順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後は、日傘下に形成される熱環境の物理量を測定し、測定データから日傘使用時の体感温度の算出を試みる。さらに、被験者による暑さの感覚評価実験を行い、体感温度と暑さ感との関係を明らかにする。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額が生じた理由は、測定対象とする日傘の本数が計画よりも少なかったためである。現在、市販されている日傘の素材・加工・色を調査した結果、当初は20本と計画していたが、14本(7種×2本)で研究目的と十分に達成することができると判断した。
平成26年度に実施する実験では、同一の日傘を5本程度購入する必要があるため、その購入に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 各種日傘下における短波長および長波長放射の実測2013

    • 著者名/発表者名
      久野 貴義, 堀 雄祐, 小橋 愛実, 渡邊 慎一, 石井 仁
    • 学会等名
      第37回 人間-生活環境系シンポジウム
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      20131130-20131201
  • [学会発表] 女子大学生を対象とした日傘の使用実態に関する調査2013

    • 著者名/発表者名
      渡邊 慎一, 石井 仁, 冨田 明美
    • 学会等名
      第37回 人間-生活環境系シンポジウム
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      20131130-20131201

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公開日: 2015-05-28  

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