研究課題/領域番号 |
25350086
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
梶 美保 中部大学, 現代教育学部, 准教授 (20515704)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 乳児保育の質 / 保育所 / 衛生的環境 / 保育保健 / 自治体との連携 |
研究実績の概要 |
1)中間考察 実態調査から得た結果の課題を分析・検討した。A県においては地域により小児科医の偏在があった。定員を超えて園児が在籍しており、低年齢児の割合が多いのは、私立園であるが、看護職配置は公立園の方が高い。私立園においては定員以上の受け入れを行っている施設が50%以上あり、さらに看護職の配置も公立に比較し低率であることから衛生管理上の課題があると推察される。保育所全般において、園医との連携が必要であるという意識があっても実態が伴っていない現状が伺えた。行政と地区医師会との連携は比較的良好であったが、自治体独自の感染症マニュアルの作成や保育所看護師への研修は不十分であった。園医・保育所看護職に対する研修会等を活性化し、園医・保育所看護職の役割についての議論が深まりが必要であることが示唆された。2)低年齢児の入所が多い北陸3県の保育所及び県及び市町自治体、医師会等との連携についての視察・ヒアリングを実施した。低年齢児数が多い保育所における産婦人科医・小児科医や看護職との連携状況の実態をみることができた。3)保育所看護職者のヒアリングからは、公私立園、また各園によりその役割や勤務体制、職務内容に相違があること、保育保健に関して保育職との連携が困難な状況があること、市町自治体や関連部署との連携では看護職者の力量の格差があった。今後さらに課題の分析、検討をしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度に実施した県内アンケートの調査結果報告書の作成遅延により、それをふまえた自治体対象のヒアリングが予定通り進まなかった。保育所のヒアリングについても同様であり、当初予定の都市部8園にとどまり、過疎地域の視察・ヒアリングについては未着手である。保育所看護職との研修会については2回実施し、調査結果の分析・検討を実施している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、平成26年度実施できなかった項目を踏まえ、また研究の最終年度として以下の通りの研究計画とする。1)視察及び乳児保育担当者への聞き取りの実施と分析・課題の洗い出し。2)研究のまとめ・提言 ①都市部・過疎地域の視察、ヒアリングを実施し比較検討、②園医・看護職者等の専門識者との連携から検討、③乳児保育室のハード面(施設・構造面)から検討、④乳児保育室のソフト面(保育)から検討
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた実態調査報告書の印刷が期間内に間に合わなかったため。初年度の実態調査進捗状況遅延のため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に実態調査報告書をまとめ冊子として県内保育所および自治体に配布する。実態調査を予定通り実施する。
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