赤ワインの赤色は、ブドウ果皮から溶出されるアントシアニンに由来する。ワインの熟成が進むにつれてブドウ由来のアントシアニンは減少し、醸造後数年経過するとほとんどなく、色調も熟成によって赤色から赤褐色へと変化する。それに伴い、赤ワイン中に新たに「ピラノアントシアニン」と呼ばれる赤色化合物を形成する。本研究では合成したピラノアントシアニンの耐熱・耐光性及び酸化抑制活性を行った結果、ピラノアントシアニンは、主要なブドウ由来のアントシアニン(M3G)より色調安定性が高いことから、今までにない新しい特徴を持つ化合物であり、食品をはじめ他の産業への展開が可能と考えられる。
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