これまでの実験内容について、確認を必要とする箇所があったため、それに関する一連の実験、すなわち追試を行った。具体的には、耳下腺唾液たんぱく質と顎下腺唾液たんぱく質ならびに舌下腺唾液たんぱく質の渋味発現に及ぼす効果の違いを検証することである。当初、耳下腺唾液たんぱく質が渋味発現に一義的に意味を有しているとの結果を得ていたが、その後、顎下腺唾液たんぱく質ならびに舌下腺唾液たんぱく質も渋味発現に関与している可能性を示す実験結果が得られた。 今回の再試、追試の結果、タンニン酸などのポリフェノール類の渋味発現には耳下腺唾液たんぱく質が極めて有意に機能しており、二価金属等の引き起こす渋味。収斂味には耳下腺唾液たんぱく質のみならず、顎下腺唾液たんぱく質ならびに舌下腺唾液たんぱく質も少なからず関与していることが明らかになった。これらの結果は、これまでの結果を否定するものではなく、捕捉する結果となった。 なお、実験に必要とした機器や試薬類は、これまでの購入していたものを用いることができたため、新たに残余予算を使用することなく終了した。また、これまでの成果のまとめを継続的に行った。
|