保存によるマツタケの香り消失と桂皮酸メチル生合成機構の解明を研究目的とした.マツタケの子実体と菌糸体でのフェニルアラニンアンモニアリアーゼ(PAL)活性,PAL遺伝子(TmPAL1とTmPAL2)発現と桂皮酸メチルとの関係を調べた.PAL活性,TmPAL2発現量と桂皮酸メチルは,子実体のひだで最も多かった.また,Phe添加培地で培養した菌糸体では,PAL活性,TmPAL2発現量と桂皮酸メチル量の増加が見られた.これらの結果より,TmPAL2が主に桂皮酸メチルの生合成に関与していると考えられた.また,4℃で6日間保存した子実体のPAL活性と桂皮酸メチル量は,保存による顕著な影響は見られなかった.
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