研究課題/領域番号 |
25350119
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
河合 崇行 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (50425550)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 甘味認知 / 人工甘味料 / 甘味増強 |
研究実績の概要 |
塩味による甘味の増強現象は、脳処理による錯覚に起因するものと考えられます。そのため、既存の味覚センサーや培養細胞を使っても評価することはできません。ヒトでの実験実施に先立ち、塩と甘味料との適切な組み合わせを探る目的で、マウスを使った塩味混合による甘味溶液への嗜好変化を調べました。その結果、2~8%の砂糖水には0.2%以上の食塩添加に味変化を起こさせる力があることが分かりました。また、砂糖、サッカリンNa、アセスルファムKの溶液にそれぞれ0.3%の食塩を加えて味変化を調べたところ、砂糖では1.3倍以下の変化しか認められなかったことに対し、サッカリンNaやアセスルファムKでは1.5倍以上の変化が認められました。今後は、この濃度域を使ってヒトでの味覚変化・調和感を調べる予定です。上記実験で砂糖と人工甘味料に差異が認められたことから、認知速度のことなる甘味料同士の組み合わせによって味に変化が起こるかどうかを調べました。その結果、認知時間の遅い甘味料と早い甘味料を組み合わせることで甘味が強くなる可能性が示唆されました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒトの実験に使う測定機器の整備・調整に時間がかかりすぎました。
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今後の研究の推進方策 |
本機器の調整を速やかに済ませ、砂糖水、アセスルファムK溶液、スクラロース溶液に食塩を加えた場合の認知時間変化の解析を進めます。 味の強さ変化についても評価を行い、甘味料による違いから甘味増強メカニズムの推察を行います。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験進捗がやや遅れていたために当該年度に必要と考えていた消耗品の購入を次年度に遅らせて購入することにしました。
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次年度使用額の使用計画 |
ヒトの実験に使う味物質や人工甘味料には、食品添加物グレードのものが必要です。当該年度購入する予定であった食品添加物グレードの味素材等を次年度購入します。
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