現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.炭素化したペーパースラッジの特性を考慮し、有望な放射性セシウム除去剤の候補となり得ることを実験的に証明するとともに、セシウムの吸着挙動について速度論的に解釈を行い公表することができた[A. Van Tran and M. Yanaga, "Adsorption behavior of a carbonized paper sludge towards 137Cs", Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 308(2016)857-863 (DOI 10.1007/s10967-015-4529-z, Published online: 17 October 2015)]。
2.土壌から農作物への放射性セシウムの移行については、一般的には土壌中濃度と可食部中の濃度との比を用いた移行係数で評価されているが、土壌中のセシウムのみならず環境水中のセシウムを考慮しなければならないことを示唆することができた。
3.除染作業と微量元素の濃度変化など、農作物に与える影響を考える上では実験室内で管理された状態で、他からの影響を受けない状態での農作物の栽培を行うことが望ましいところ、実験室内でのイネの水耕栽培において、苗の植え付けから収穫までを行うことができた。
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