研究課題
基盤研究(C)
メタボリックシンドロームは脂肪組織における免疫細胞により制御されることが示されており、食品により脂肪組織における免疫細胞機能が制御できればメタボリックシンドロームを予防する食品を開発することが可能である。そのため、本研究では大豆イソフラボンがメタボリックシンドロームの病態をどのように制御できるのか動物実験で検証する。 C57BL/6マウスを高脂肪食で飼育し、3種類の大豆イソフラボン(ゲニステイン、ダイゼイン、エクオール)を経口的に12週間投与を行った。その結果、最も炎症を抑えたのはエクオールであることが判明した。そのためエクオールに絞り高脂肪食飼育マウスにおける糖脂質代謝に与える影響について検討を加えた。エクオール投与マウスに糖負荷試験を行ったところ、糖負荷30, 60および120分後の血糖値の値が、コントロールマウスに比べ低下していた。曲線下面積で評価した場合も同様にコントロール群に比べエクオール投与群は上昇度が少なかった。次にインスリン負荷試験を行ったが、統計的な有意差は認められなかったがエクオールはインスリンの感受性が高まっている傾向が認められた。エクオール群は精巣上体脂肪重量がコントロールマウスに比べ有意に低下していた。以上のことより大豆イソフラボンであるゲニステイン、ダイゼイン、エクオールはすべて構造が女性ホルモンである17βエストロジオールと類似しているものの、抗肥満・抗糖尿病作用に関しては機能的に異なっていることを示している。
2: おおむね順調に進展している
本研究の目的は大豆イソフラボンがメタボリックシンドロームの病態をどのように制御できるのか動物実験で検証することである。平成25年度の研究で、メタボリックシンドロームモデルとして高脂肪食飼育マウスを用いた実験により、大豆イソフラボンの中でもエクオールが最も作用が強いことが判明できた。最終的には人集団での解析となるが、その基盤的データーを構築できたと思われる。
平成25年度の研究で、メタボリックシンドロームモデルとして高脂肪食飼育マウスを用いた実験により、大豆イソフラボンの中でもエクオールが最も作用が強いことが明らかとなった。そのためその詳細の機構を明らかにするために脂肪組織における炎症マーカーや免疫細胞の解析を行う。また免疫細胞を欠損したマウスにエクオールを投与することによりエクオールが免疫細胞を介して慢性炎症を抑えているのか確認をする。
比較的スムーズに再現性の良い結果が得られたため。比較的高額なTおよびB細胞を欠損した遺伝子改変マウスであるRAG-1遺伝子欠損マウスの購入に充てる。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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