研究実績の概要 |
AIN93G飼料摂取(Control群)、共役リノール酸(CLA)2%(CLA群)、TG型γ-リノレン酸(GLA)2%(GLA群)、GLA2%+CLA2%(GLA + CLA群)をそれぞれマウスに長期摂取させ、肝臓の脂肪酸組成を同定した。CLAおよびGLA + CLA群において、CLAが肝臓に顕著に含有したことが確認できた。9cis, 11trans-CLAの肝臓割合は、10trans, 12cis-CLAの約2倍含有していた。一方、肝臓のGLA含有率は低く、GLAまたはGLA + CLAを摂取してもGLAの肝臓蓄積は少なかった。 さらに、昨年度から実施している試験では、CLA油のリポジストロフィー効果が強すぎるため、CLAの投与量を更に3群設け、発症試験を実施した。 ICR雄マウス(4週齢)24匹を単飼ケージにて馴化後、4群に分け、大豆油7%を添加したAIN93G飼料(Control群)、CLA油0.5%および大豆油6.5%を添加したAIN93G改変飼料(CLA0.5%群)、CLA油1%および大豆油6%を添加したAIN93G改変飼料(CLA1%群)、CLA油2%および大豆油5%を添加したAIN93G改変飼料(CLA2%群)をそれぞれ3週間与えた。飼育終了後の解剖により、白色脂肪重量は、CLA0.5%群でControl群より有意に減少し、CLAの用量依存的に低下していた。また、肝臓重量はControl群に比べCLA0.5%群で増加する傾向が見られ、CLA1%および2%においても0.5%と同様の値を示していた。これらのことから、CLA0.5%以上の摂取量でリポジストロフィーを発症していることが明らかになった。血漿分析において、CLA油摂取群の遊離脂肪酸(NEFA)濃度はCLAの用量依存的に低くなり、CLA1%および2%群のTG濃度はCLA0.5%群と比べ有意に低下した。レプチンおよびアディポネクチン濃度は、Control群と比べCLA1%および2%摂取群で顕著に低くなった。一方、GPT活性値はCLA摂取で有意に高くなった。
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