本研究では、運動誘発性溶血や鉄欠乏症に起因するスポーツ性貧血の発症メカニズムの検討と運動誘発性溶血に対して有効な栄養成分の探索を中心に検証した。様々な条件下におけるラットの急性および慢性の高強度運動負荷試験を実施し、生理学的変化や鉄代謝変動等を比較検討した結果、運動誘発性溶血モデルラットを作成できることが示された。そして、鉄欠乏性貧血の予防や改善に有用性が示されているウロン酸結合キシロオリゴ糖の摂食によって運動誘発性溶血モデルラットでの乳酸産生や筋損傷などの溶血誘発因子の抑制がもたらされたことから、ウロン酸結合キシロオリゴ糖はスポーツ貧血の予防に寄与できる栄養成分であることが示唆された。
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