研究課題/領域番号 |
25350130
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
上田 由喜子 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (40310841)
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研究分担者 |
清原 昭子 中国学園大学, 現代生活学部, 准教授 (20351968)
福井 充 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40173322)
小塩 真司 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (60343654)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 食物選択行動 / 尺度 / 因果関係 / 妥当性 / 大学生 / 就労者 / 健康 / 要因 |
研究概要 |
本研究の第一目的である、食物選択行動要因を多元的に測定する質問紙(尺度)を開発するため、先行研究のレビューを行い考案した。その質問紙の信頼性と妥当性を検証するため、大学生と企業の就労者を対象に、考案した質問紙を用いて調査を実施した。因子分析後、9因子40項目から成る食物選択行動尺度が得られ、十分な信頼性および妥当性が確認された。食物選択行動の因子名は、「健康と素材」、「宣伝・食情報」、「価格」、「調理の利便性」、「嗜好性」、「体重への影響」、「感覚的魅力」、「家族・食卓環境」、「ボリューム感」とした。また、これら9因子を変数とした共分散構造分析により良好な適合度を示す食物選択構造モデルが得られ、考案した質問紙が食物選択行動を規定する要因の解明に有効な尺度であると推察された。 次に、大学生と社会人の食物選択行動因子得点を比較した結果、大学生と社会人ではライフステージの違いにより重視する食物選択要素に差があり、男女間の比較では、大学生および社会人ともに女子の方が「健康と素材」をより重視していた。食物選択構造モデルから、「宣伝・食情報」が様々な因子を介して「健康と素材」に影響を与えていることも確認された。このことから、食物選択行動はライフステージや性別により違いがあることが確認され、さらに今回の食物選択行動分析は、個人が主体的に健康的な食生活を送る方策の基礎資料となり意義があると考える。 なお、上記の結果は横断研究により明らかにされたが、横断研究に比べ変数間の因果関係の方向性をより正確に推定できると報告されているパネル調査も実施した。食物選択行動についてより詳細に解析し、交差遅れ効果モデルによる因果関係の推定を行っているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度の計画は、まず食物選択行動要因を多元的に測定する尺度を考案し、次にその尺度の信頼性と妥当性を検証するための調査を実施し、食物選択の構図モデルを示す事であった。ほぼ計画どおりに実施および結果を示すことができ、順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
食物選択行動を規定する要因について解明し、ヒトの嗜好パターンや食行動をある程度「法則化」する。この食物選択行動の法則性により、新たな食育戦略を打ち出し、ポピュレーションアプローチの方策の一つとして推進したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末にミーティングの計画を立てていたが、開催できなかった。 次年度早々にミーティングを開催し、使用する予定である。
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