研究実績の概要 |
本研究は現在、非栄養素成分として考えられている「核酸栄養」を研究対象としている。これまでに多く機能性食品が動物実験においてデータが集積されているが、in vitroを中心とした詳細な分子レベルでの解析が進んでいるのは少ない。我々は特に消化管免疫に焦点を当て、既に「メチル化DNAの食品由来の核酸が上皮細胞とマクロファージでIL-8を産生誘導する」というIn Vitroデータを得ている。核酸の免疫作用機序を細胞レベルで解析し、新規の細胞内機序の知見を得、疾患予防に対する機能性食品への開発に貢献することを目的として研究を遂行している。 25年度はマクロファージ・単核球、及び上皮細胞に対する核酸の作用の解析を行った。U937細胞株(ヒト単核球)、PMA induced U937(マクロファージ様)とA549(肺がん細胞)、Caco2(大腸がん細胞)にサケ白子DNAを添加し、サイトカイン等の分泌をRT-PCRで解析を行った。引き続き、Chloroquine, IKK-2inhibitor, SB203580(MAPK 阻害剤), MyD88二量体阻害ペプチドなどを添加し、シグナル伝達経路を解析した。 26年度はPMA induced U937(マクロファージ様)にサケ白子DNAを添加し、マイクロアレイ解析を行なった。Ingenuity Pathway Analysis Software (IPA; INGENUITA® systems)を用いてパスウェイ解析を行なった。
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