本課題において、我々は以下のことを明らかにした。 ①細胞外核酸は直接がん細胞に作用し細胞増殖抑制を持つ。②dATPのみマクロファージ様細胞株(PMA誘導U937細胞株)に作用しIL-8やTHBS-1(Thrombospondin 1)など様々な因子の発現誘導する。さらにdATPによる細胞障害性機序の解明を目的とし、酸化ストレス促進の可能性の解析を試みた。その結果、③マクロファージ様細胞株において、dATP添加のみスーパーオキシドの発生誘導が確認した。壊死した細胞や好中球から放出された核酸が近傍のマクロファージに作用し、酸化ストレスを放出することで、炎症細胞等に障害を与える可能性を提唱した。
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