研究課題/領域番号 |
25350149
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研究機関 | 神奈川工科大学 |
研究代表者 |
饗場 直美 神奈川工科大学, 応用バイオ科学部, 教授 (50199220)
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研究分担者 |
金田 雅代 女子栄養大学短期大学部, 食物栄養学科, 教授 (30413066)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 食教育 / 学校給食 / 栄養教諭 |
研究実績の概要 |
本研究は、食育基本法の策定による栄養教諭制度の導入や、学校給食法の改正によって学校給食をめぐる環境が大きく変化したこの10年間の給食献立の内容の変化を時系列に比較し、栄養教諭制度導入により学校における給食がどのように変わってきたのかを明らかにする。また学校での食育展開が家庭にどのような影響を及ぼしているのか明らかにする。 本年度は、給食便りの内容データベース作成のためのフィールドの設定を行い、過去10年間の献立表の収集を開始した。また、これまでに実施してきた保護者30000人を対象とした食育の家庭への波及効果についてのアンケート調査結果をもとに食育展開における栄養教諭導入の効果についての解析を行い、学会にて発表を行った。 1)栄養教諭導入前後を含む過去10年間の献立表収集のためのフィールドを、岐阜、香川、福島、石川、富山、広島、鹿児島に設定した。データベース作成のために、パイロット地域として、岐阜と香川において献立表の収集を開始した。 2)小中学校に在籍する学童・生徒の保護者約30000人を対象とした「学校での食育の家庭への波及効果」に関する大規模断面調査データベースをもとに、家庭での食生活状況、特に朝食摂食状況と食育の関心度、学校からの配布資料への関心度、家庭での食生活変容に効果的な配布資料の内容について解析を行い、給食便りでの情報量の多さや配布資料への暴露頻度が家庭での食生活変容と関連があることを明らかにし、その成果を第61回日本栄養改善学会にて発表した。 3)栄養教諭が学校の食育にどのような関わりかたをしているのかについて、学校栄養士及び栄養教諭を対象としてアンケート調査を行い、現在データベースの作成と解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの大規模調査によるデータベース解析においては順調にその解析を進めることができている。学校給食の過去10年間の献立表の収集においては、全国7県にフィールドを設定し、現在2県からの給食便り・献立表の収集を終え、データベースの枠組み作成の進行中である。ほかのフィールドからのデータ収集は、次年度に収集し、データベース化及び解析を行う予定でいる。
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今後の研究の推進方策 |
過去10年間の給食便り・献立表を収集しデータベース化とデータ解析を行う。特に学校給食を教材として活用するための観点として、地場産物の活用度、主食、主菜、副菜等の食事バランス表示、各月の給食目標の明確化、年間食育計画等を中心にデータベースを作成し、過去10年間での献立内容や使用している食材の変化、食育を意図とした表現や記述についての変遷について、給食便り・献立表の質的解析を行う。また、大規模調査研究データベースをもとに、学校給食や献立表の家庭への波及効果について詳細に解析し、データ解析結果の論文作成を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
過去10年間の給食便り・献立表の収集に当たり、全国各地での各フィールドでの研究会の立ち上げと研修及びデータ収集のために次年度にフィールド調査費が必要になること、またデータ解析においてデータマイニング等の特殊な質的調査解析ソフト等の購入の必要性が考えられることから次年度への繰り越しを決定した。
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次年度使用額の使用計画 |
全国的な範囲でのデータ収集が可能になり、繰越金は主に旅費として使用し、一部は質的データの解析ソフトの購入費等として使用する。
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