• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

周産期の精神疾患に対する脂質栄養改善に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25350151
研究種目

基盤研究(C)

研究機関金城学院大学

研究代表者

宮澤 大介  金城学院大学, 薬学部, 准教授 (70434553)

研究分担者 大西 浩之  金城学院大学, 薬学部, 助教 (90523316)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード多価不飽和脂肪酸 / 周産期 / 神経栄養因子
研究概要

申請者はn-3系脂肪酸制限食によって脳内の脳由来神経栄養因子(BDNF)量、p38 MAPキナーゼ活性、プロテインキナーゼC活性などが低下することを示した(Miyazawa D. et al. Life Sci., 2010; Miyazawa D. et al. Biomed. Res., 2011)。また出産直後の親マウス(雌)にn-3系脂肪酸欠乏食を2週間与え、その母乳で育てられた仔マウスの脳を大脳皮質、線条体、海馬の領域に分けて摘出した。海馬、大脳皮質、線条体の脂肪酸組成を測定したところ、n-3系脂肪酸欠乏食群でドコサヘキサエン酸(22:6n-3, DHA)が減少していた。また、アラキドン酸(20:4n-6)は増加していた。またn-6/n-3比はn-3系脂肪酸欠乏食群で有意に高かった。この結果から授乳期の親の食餌脂肪酸が、母乳を介して仔の脳の脂肪酸組成に影響を与えることが明らかとなった(宮澤、未発表データ)。また、BDNF量の変化が領域の違いで見られた。セロトニン、BDNFはうつ症状に関与が示唆されている因子でそれらは相互に調節していることが示されている(Monteggia L. M. et al. Biol. Psychiatry., 2007; Burke T. F. et al. Int. J. Neuropsychopharmacol., 2012)。多価不飽和脂肪酸と精神疾患との関連も報告されており、例えばn-3系脂肪酸の欠乏しているマウスで神経伝達に必要なカンナビノイド受容体(CB1受容体)の機能低下が見られ抑うつ行動が見られる等(Lafourcade M., et al. Nat. Neurosci., 2011)、摂取する油脂の質が一因の可能性が示唆されている。
妊娠期の親マウスで同様にn-3系脂肪酸制限食を与え、海馬、線条体、大脳皮質に領域を分けて摘出した。また周産期にないマウスも同期間、同様の食餌を与え、脳の各領域を摘出した。これらサンプルについて脂肪酸組成、神経栄養因子発現量とその関連シグナル伝達について解析を実施中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

乳児期仔マウスの脳の解析を同時期に進行している。そのため計画通りに進まなかった。妊娠、授乳期の親マウスで同様にn-3系脂肪酸制限食を与え、海馬、線条体、大脳皮質に領域を分けて摘出した。また周産期にないマウスも同期間、同様の食餌を与え、脳の各領域を摘出した。脳の各領域の脂肪酸組成の測定、神経栄養因子についての解析を進めている段階にある。

今後の研究の推進方策

離乳前の仔マウスの大脳皮質や海馬の脂肪酸組成は母親の食餌の脂肪酸の影響を受けているかを調べるために、ガスクロマトグラフにより脂肪酸組成を測定する。また、胎児についても同様に解析する。神経成長因子(nerve growth factor, NGF)、脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor, BDNF)、neurotrophin-3(NT-3)、neurotrophin-4/5(NT-4/5)等をELISA法により定量し、食餌群間に差があるかを解析する。免疫組織染色を行い、神経新生に食餌群間で差があるか解析する。

次年度の研究費の使用計画

乳児期仔マウスの脳の解析を同時期に進行した。そのため計画通りに進まなかった。妊娠、授乳期の親マウスで同様にn-3系脂肪酸制限食を与え、海馬、線条体、大脳皮質に領域を分けて摘出した。また周産期にないマウスも同期間、同様の食餌を与え、脳の各領域を摘出した。脳の脂肪酸組成の測定を進める段階にある。
ガスクロマトグラフにより脂肪酸組成を測定する。神経成長因子(nerve growth factor, NGF)、脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor, BDNF)、neurotrophin-3(NT-3)、neurotrophin-4/5(NT-4/5)等をELISA法により定量し、食餌群間に差があるかを解析する。各神経栄養因子に関連するシグナルについてタンパク質キナーゼ(活性測定)や関連分子の発現(ウエスタンブロット)について解析する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 異なる高脂肪食が非肥満性ラットの代謝に及ぼす影響比較

    • 著者名/発表者名
      橋本洋子、山田和代、津島宏美、森眞由美、宮澤大介、西尾康二、大原直樹、奥山治美
    • 学会等名
      日本脂質栄養学会 第22回大会
    • 発表場所
      高知
  • [学会発表] 高融点油脂を摂取した脳卒中ラットの寿命短縮効果について

    • 著者名/発表者名
      立松憲次郎、宮澤大介、大原直樹、奥山治美
    • 学会等名
      日本脂質栄養学会 第22回大会
    • 発表場所
      高知

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi