研究課題/領域番号 |
25350160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 甲子園大学 |
研究代表者 |
金田 直子 甲子園大学, 栄養学部, 講師 (70598961)
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研究分担者 |
春木 敏 大阪市立大学, その他の研究科, 教授 (80208694)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 食生活改善推進員 / 研修プログラム / 幼稚園教諭・保育士養成課程学生 / 食育カリキュラム |
研究概要 |
1.幼児食育の担い手を対象とした研修の計画・実施・評価 すでに作成している幼児食育プログラム“食に親しみ、作って食べよう”において、家庭で保護者が子どもに向けた食育を担うことができるよう、保護者への食育の担い手である食生活改善推進員を対象とした研修を計画、実施し、評価を行った。料理のデモンストレーションとともに子どもの喜ぶ調理作業や子どもへの声かけ等、保護者への食育をどのように実施すればよいか具体的に示した研修を行うことで、食生活改善推進員の理解が深まり、充実した内容の保護者食育講座につなげることができた。保護者食育講座の実施後、食生活改善推進員に対してフォーカスグループインタビューを行い、研修や保護者食育講座において良かった点、改善点等の評価を行い、幼児食育の担い手を対象とした研修プログラムとして整理をすすめている。 2.幼稚園教諭・保育士養成課程学生を対象とした食生活ならびに食育に関するニーズアセスメントの実施、食育カリキュラムの検討 将来、幼児教育の担い手となる幼稚園教諭・保育士養成課程学生を対象に食生活および食育に関するニーズアセスメントを実施し、課題を整理した。アンケートの回答者全員が幼児期の食育について大切であると思っているものの、将来、食育を実施しようと思っているものは82.6%であった。実施しようと思わないもの(17.4%)の理由として、何をすればよいかわからない(68.8%)、知識がない(46.9%)、教材を知らない(21.9%)という実態であった。これらの結果を踏まえ、幼稚園教諭・保育士養成課程における教科目「子どもの食と栄養」の内容を検討し、幼児の栄養管理ならびに食育に関する基本的な知識・実践力を高めることを目的とした食育カリキュラムを作成、試行した。目下、データ解析を行い、養成課程における食育カリキュラムの改良をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度における研究課題を次に示す3テーマとし、一定の成果を得た。 1.幼児食育の担い手を対象とした研修の計画ならびに実施-幼児の保護者への食育の担い手である食生活改善推進員を対象に行ったフォーカスグループインタビューでは、子どもとともに料理することに配慮した献立や保護者へ伝える具体的なポイント、講座の進行方法等を知ることができ良かったとの評価が得られた一方で、講座参加者を募る方法や託児等については改善が必要との意見があった。これらの評価を踏まえ、食生活改善推進員を対象とした研修プログラムとして整理をすすめている(第12回日本栄養改善学会近畿支部学術総会にて報告)。幼児への食育の担い手である幼稚園教諭を対象とした研修については、現在検討段階であり、今後進めていく。 2.幼児養育者世代を対象とした食育プログラムの検討-幼児養育者世代における食に関する課題、ならびにメタボリックシンドローム予防を視野に入れた食育プログラムの検討、実施を踏まえ(第60回日本栄養改善学会学術総会にて報告)、目下、プログラム改良をすすめている。 3.幼稚園教諭・保育士養成課程における食育カリキュラムの検討に向けたニーズアセスメントの実施-ニーズアセスメントの結果、幼稚園教諭・保育士養成課程の現状として、食育を行うにあたり必要な知識やスキルが十分でなく、自身の食・健康管理ができていない実態が明らかになった。これらの結果を踏まえ、幼児食育の担い手として幼児の栄養管理ならびに食育に関する基本的な知識・実践力を高め、自らも望ましい食生活実践ができることを目的とした食育カリキュラムを作成、試行した。現在、データ解析を行い、食育カリキュラムの改良をすすめている。 以上、研究途上の課題もあるが、概ね順調に進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究を踏まえ、研究分担者、研究協力者とともに、次の点について研究を推進する。 1.幼稚園教諭ならびに食生活改善推進員を対象とした幼児食育指導者研修プログラムを完成するとともに、食育プログラム、食育教材、食育プログラム解説、食育の評価法等を揃えた幼児食育キットを作成する。 2.幼稚園教諭・保育士養成課程学生を対象とした食育カリキュラムについて、幼児食育の担い手として必要な知識やスキルの形成、実践力等の面から評価し、改良をすすめ、完成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度は、研究成果を発表する学会開催場所が近隣であり、旅費支出が少なかったことによる。 平成26年度は、食育プログラム、食育教材、食育プログラム解説、食育の評価法等を揃えた食育キットを作成する計画であり、その制作に伴う諸経費として使用する予定である。
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