研究課題
エキストラバージンオリーブ油の主要なポリフェノールであるオレウロペイン[体内で糖が取れたオレウロペインアグリコン(OA)になった後吸収される。] による体熱産生への影響(特にメカニズム)について、in vivo、in situ及び in vitro実験系により調べた。In vivo:パーム油 (30%) 高脂肪食にオレウロペインを0.1%添加してオレウロペイン食とし、ラットにコントロール群と共にペアフィーディングで28日間投与、飼育した。オレウロペイン投与により体重、内臓脂肪及び血漿レプチン濃度は有意に低下し、カテコラミン分泌量及び褐色脂肪組織UCP1発現量は有意に高い値を示した。In situ:ラットをウレタン麻酔下で、Vehicle を対照にOA(3.8㎎)を大腿静脈から投与した。投与10分後、ベヒクルに対しカテコラミン分泌量は有意に高い値を示したが、β2、β3、TRPA1あるいはTRPV1ブロッカー存在下でOAによるカテコラミン分泌量の増加が抑えられた。同様にパーム油に含まれるトコトリエノール(2.06, 4.11, 8.22 あるいは12.3mg)を投与したが、カテコラミン分泌量に有意な上昇は認められなかった。In vitro:ラットあるいはヒトのTRPA1あるいはTRPV1を発現させたHEK293cellを用いて、OAによるCa2+濃度を測定した結果、OAはTRPA1あるいはTRPV1を発現させたHEK293cell のCa2+濃度を濃度依存的に上昇させた。また、このOAによるCa2+濃度上昇はTRPA1あるいはTRPV1ブロッカー存在下で抑えられることを確認した。以上の結果より、パーム油高脂肪食摂取ラットにおいて、OAはTRPA1及びTRPV1両方を活性化させ、β作用によりカテコラミン分泌を促進し、UCP1発現量を増加させて体熱産生を促進させることが示唆された。
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神戸女子大学家政学部紀要
巻: 51 ページ: 1-3
FASEB J
巻: 31 ページ: 5036-5048
10.1096/fj.201700151R