肥満の維持・増悪には、空腹―満腹感によらない食の報酬的側面が関与している。その機序として、脳内報酬系起始核である腹側被蓋野(ventral tegmental area: VTA)におけるドパミンとアディポカインの相互作用の可能性が推測される。マウスを用いた電気生理学的実験から、以下の研究結果を得た。(1)VTAドパミン神経において、レプチンは直接的な神経活動抑制に加え、ドパミン受容体機能に対する減弱効果を有する。(2)高脂肪食負荷肥満マウスにおいて、このレプチンによる直接的抑制からの回復時間は体重依存的に短縮する。
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