研究課題
昨年度に引き続き、市販加工食品中の抗原量把握、及び保育所給食調査及び保育所内の抗原量調査、食物アレルギー患者の食物経口負荷試験結果における症状誘発量の検討を行った。市販加工食品中の抗原量測定は、大分県内のスーパーマーケットに流通する市販食品を用い、原材料に「小麦、乳、卵いずれかを含む」あるいは「小麦、乳、卵いずれかを使用した設備を製造」記載(注意喚起表示)のある40種、のべ120種について測定を行った。測定には食品衛生法アレルギー物質検知法に基づくFASTKITエライザ(日本ハム製)キットを用いた。その結果、小麦23製品、乳25製品、卵24製品では検出限界以下であったが、乳では7製品、卵7製品は20μg/gを越えていた。保育所で提供された給食中の抗原量測定では、献立のいずれかの料理に卵、乳、小麦材料が使用された場合、これらを使用していない料理への抗原混入の事実が認められた。さらに保育所内の各室にシャーレを設置し、暴露した抗原量を測定したところ、調理台では10μg/gを越える小麦が検出された。さらに食物アレルギー患者の食物経口負荷試験における誘発閾値の検討では、加熱鶏卵陽性患者の最小閾値は2.7μg、生乳陽性患者の最小閾値は22.9μgであった。調査を通じて即時型食物アレルギーの重症度の多様化や、現場における口腔アレルギー症候群(OAS)などの対応に苦慮する症例が増加傾向にあることが明らかとなった。そこで食物アレルギーの自然歴調査、OASからアナフィラキシーショックを呈する症例の詳細な検討もあわせて行った。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (11件) 図書 (4件)
Fujita Medical Journal
巻: 2 ページ: 6~11
アレルギー
巻: 64 ページ: 149~155
APJCN
巻: 24 ページ: 119-125
日本小児難治喘息・アレルギー疾患学会誌
巻: 13 ページ: 249~253
藤田学園医学会誌
巻: 39 ページ: 51~53