研究課題/領域番号 |
25350174
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研究機関 | 秋田県総合食品研究センター |
研究代表者 |
熊谷 昌則 秋田県総合食品研究センター, 食品加工研究所, 上席研究員 (90425471)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 食品の機能性 / 脳血流変化量 |
研究実績の概要 |
近赤外分光法(NIRS)を用いて、前頭前野脳血流変化量を指標とする食品成分の新規機能性について検討している。前年度までに、刺激提示システムを新たに導入して、前頭葉タスク(空間性あるいは言語性記憶課題)遂行時における被験者の正答率や反応時間を数値化して表すとともに、これら課題遂行時における酸素化ヘモグロビンや脱酸素化ヘモグロビンの変化量をモニタリングすることができるようになった。今年度はこれに加え、交感神経活動の指標となる唾液中のαアミラーゼ活性をモニタリングすることで前頭葉タスク遂行時のストレス状態も把握できるようになった。そこで、当センター倫理委員会の承認を得た後に、被験者へのインフォームドコンセントの手続きを経てヒト試験を実施し、ミョウガの精油成分であるαピネンや、その他、ローズマリー、レモンなどのフレーバーが、前頭葉実行機能指標、脳血流データ、唾液アミラーゼ指標に与える影響を評価した。その結果、これらのフレーバー呈示により、前頭前野における局所の酸素化ヘモグロビンの相対的増加と脱酸素化ヘモグロビンの相対的減少が認められ、脳活動が亢進されることが示された。しかしながら前頭葉実行機能やストレス指標については被験者ごとにバラツキがみられた。現在、脳血流データにもとづく食品成分の機能性評価法として応用可能かどうか検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ当初の目的を達成することができたが、データ取得のために必要となる十分な被験者の数を確保することが難しく、データの普遍化という点では課題が残った。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となるので、これまでの結果をまとめ、外部発表するなどして情報の発信に努め、成果としての妥当性を評価する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
脳機能測定のための十分な数の被験者が集まらず、謝金が当初の見込額に達しなかった。また、パッケージ商品の利用などにより旅費の効率的執行が図られたことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度、物品費や旅費、謝金として計画的に執行する。
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