天然由来品と合成品は同様な化学構造を有するため、形態学的な外観検査や食品添加物の規格に適用される試験法では両者の測定値に有意差を示さない。本研究では、植物ウコンから抽出して得られた天然クルクミン及び有機合成によって製造された合成クルクミンの軽元素安定同位体比構成の解析を実施し、天然/合成品に至る元素構成の特徴から製造由来の識別可能性について検討した。天然クルクミン及び合成クルクミンの同位体分析の結果により、水素安定同位体が製造由来の指標元素として有効であることが確認された。また、ウコンの同位体比において、窒素・酸素同位体結果を用いて国産と外国産ウコンの産地識別の可能性を示唆した。
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