| 研究課題/領域番号 |
25350179
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| 研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
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研究代表者 |
大石 勝隆 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 研究グループ長 (50338688)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 体内時計 / 睡眠障害 / 光 / 肥満 / 時間栄養学 / 時間運動学 / 時計遺伝子 |
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| 研究実績の概要 |
睡眠障害に起因する代謝異常のメカニズムを解明する目的で、独自に開発したストレス性睡眠障害モデルマウスや明暗サイクルの攪乱による睡眠障害モデルマウスを用いた研究を継続している。今年度は、睡眠障害などの生体リズムの異常を早期発見するための診断技術の開発を目指して、ストレス性睡眠障害モデルマウスにおける血中アミノ酸の定量を行い、リズム異常によって血中アミノ酸のプロファイルが大きく影響を受けることを明らかにして論文に発表した。明暗サイクルの攪乱実験では、明暗サイクルの攪乱によって、心臓や肝臓などの末梢組織における時計遺伝子の日周発現リズムが遺伝子の転写レベルで消失することを明らかにして論文に発表した。
体内時計の積極的な制御を目指して、PER2::LUCマウス由来の神経培養細胞を用いたリアルタイム生体リズム測定システムを開発して論文に発表した。本システムを利用して天然化合物の探索を行い、体内時計に作用する化合物を複数同定することに成功し特許出願を行った。マウスを用いた実験では、乳酸菌SBL88が睡眠脳波に作用し、睡眠覚醒の日内リズム増幅効果を明らかにして論文に発表した。小麦の表皮に含まれるアルキルレゾルシノールの抗肥満効果及び行動リズム改善効果を明らかにして論文に発表した。時間栄養学的観点により、小麦アルキルレゾルシノールを朝に摂取させた場合と夜に摂取させた場合で抗肥満効果を比較したところ、朝に摂取した群においてより顕著な抗肥満効果が認められた。
身体運動と体内時計との関係を明らかにする目的で、回転かごを用いて４週間の自発運動をさせたマウスと、回転かごの無い状態で飼育したマウスで時計遺伝子の発現リズムや生理機能の日内リズムの比較を行った。運動習慣によって、深部体温や摂食、副腎皮質ホルモンの分泌、時計遺伝子の発現などの日内リズムの位相が前進することが判明し、論文に発表した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
体内時計に作用する天然化合物のスクリーニングが順調に進んでおり、論文発表や特許出願の成果実績が想定を上回っているため。
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| 今後の研究の推進方策 |
睡眠障害モデルマウスを用いた睡眠障害等の生体リズムの乱れを診断するためのバイオマーカーの開発を継続する。神経細胞を用いたリアルタイム生体リズム測定システムによって体内時計調節作用が明らかとなったいくつかの天然化合物について、個体レベルでの体内時計機構への作用を検証する。具体的には、回転かごを用いた自発的輪回し行動リズムや深部体温のリズム、血中副腎皮質ホルモンなどに反映される内分泌機能の日内リズム、各組織における時計遺伝子の日周発現リズム、そして睡眠脳波測定による睡眠覚醒リズムなどへの作用を明らかにする。さらに、睡眠障害モデルマウスに対する睡眠改善作用の評価を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
動物個体を使った試験や、動物由来試料を用いた外注分析を行うことが出来なかったため。
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| 次年度使用額の使用計画 |
当初予定していた動物個体を使った試験を加速して行う。
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