研究課題
今年度は、前年度までに確立した分析法を適用し、生鮮魚類の腐敗に伴う経時的な生原アミン類(ヒスタミン、チラミン、カダベリン、プトレスシンおよびフェネチルアミン)の生成状況について調査を行った。また併せて、市場流通品の魚介類(加工品および生鮮品)を対象とし、5種類の生原アミン類の含有量を測定した。1:腐敗に伴う生原アミン類の生成生食用の魚類(マグロ、マダイ、ブリ)を25℃で保存し、腐敗に伴う経日的な生原アミン類(ヒスタミン、チラミン、カダベリン、プトレスシンおよびフェネチルアミン)の生成状況について調査を行った。実験開始直後の各検体から、対象となる5種類の生原アミン類は検出されなかった。マグロでは、保存開始2日目からカダベリンおよびヒスタミンの生成が確認された。また、プトレスシン、チラミンの検出も認められた。フェネチルアミンは、保存開始4日目でも検出されなかった。マダイでは、腐敗に伴いヒスタミン、チラミン、カダベリン、プトレスシンおよびフェネチルアミン含量の経時的な増加が認められた。特にカダベリンの生成は顕著であり、保存開始4日目に1216ppmに達した。ブリでも腐敗に伴い、分析対象とした5種類の生原アミン類の全てが検出された。特にヒスタミンの生成は著しく、保存開始1日後に濃度が4403ppmに達した。2:流通品を対象とした生原アミン類の含有量調査大阪府内の販売店で購入した鮮魚7検体および魚介類加工品15検体について、生原アミン類(ヒスタミン、チラミン、カダベリン、プトレスシンおよびフェネチルアミン)の含有量について実態調査を行った。鮮魚7検体から分析の対象とした生原アミン類は検出されなかった。魚介類の加工品15検体のうち7検体から生原アミン類が検出された。特に、イワシの丸干し加工品、アジ骨取り味醂干およびナンプラーからは、分析対象とした5種類の生原アミン類が検出された。
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